メルオン

医師国家試験合格発表(2015-3-19)

昨日、第109回医師国家試験の合格発表がありました。
出願者9,356人のうち9,057人が受験し、そのうち
8,258人が医師国家試験に合格されました。合格率は
前年より0.6%上がり91.2%でした。女性の合格者は
2,603人で全体の31.5%。男性の合格率は90.6%、
女性の合格率は92.6%と女性の合格率の方が若干
、高くなっています。

私立大学全体の合格率は90.6%、国立大学全体の
合格率は91.8%、公立大学全体の合格率は95.1%
でした。

大学別で合格率が最も高かったのは順天堂大学、自治医科大学、
浜松医科大学の99.1%でした。ちなみに入試難易度が最も
高いとされる東京大学の合格率は88.5%で、私立大学全体の
合格率90.6%を下回りました。

この国家試験合格者、合格率を見る際には、新卒と既卒に分けて
見なければなりません。上記の合格率は全て、新卒と既卒を合わせての
合格率ですが本来、その大学の医学部6年生のうち何人が卒業して、
何人が医師国家試験に合格したのかを、まず見なければなりません。
昨日はスタッフが厚生労働省まで行って詳細な資料をもらってきて
くれましたので、細かい分析も可能です。

私立医学部で新卒合格率100%を達成したのは慶應義塾大学医学部
と帝京大学医学部の2校です。ただし、内訳を細かく見ていくと、慶応大学は
6年生全員を卒業させての新卒全員合格でしたが、帝京大学は6年生のうち
少なくない人数(具体的な人数は控えます)を卒業させていません。見方に
よっては医師国家試験に合格できる学生だけを卒業させたとも見えます。

また既卒の大学ごとの受験者数を見ると、既卒の受験者が多い大学は、
医師国家試験浪人になっても合格できない人がたまっていっていることが
分かります。

医師国家試験の合格発表に関するマスコミ報道はどうしても全体としての
数字にならざるを得ません。受験生が具体的な志望校を考える時に
国家試験合格率も重要な要素の一つになります。大学の表面的な
医師国家試験合格率の話ではなく、その大学の真の姿が分かるように
私たちは少し時間をかけて分析していきます。