医学部の情報を読み解く

医学部の偏差値ランク(2019-06-08)

昨日に続いて、大手予備校など模擬試験の
主催者から発表される偏差値で表される医
学部の難易度についてです。

昨日もお伝え致しましたように、河合塾は
すでに来年、2020年度入試に向けての「入
試難易予想ランキング」を発表しています。

私立医学部で、慶應義塾大学医学部に次ぐ
難易ランクに挙げられている大学は、東京
慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大
学医学部、産業医科大学、東北医科薬科大
学医学部(A方式)の6校です。

この6校に次ぐボーダーライン偏差値ラン
クには昭和大学医学部、東邦大学医学部、
大阪医科大学、関西医科大学など旧設医学
部と言われる大学が並んでいます。

昨日は、駿台予備学校が昨年6月に発表し
た難易度ランクでは、東北医科薬科大学医
学部(A方式)より昭和大学医学部や大阪
医科大学の難易度が上位に来ていることを
お伝え致しました。

昨年6月の駿台予備学校の偏差値ランクで
は、東北医科薬科大学医学部(A方式)の
難易度は、聖マリアンナ医科大学と同じラ
ンクになっています。

昨年6月発表のものと今年5月発表のもの
を同列に論じることは正しくないかもしれ
ませんが、昨年と今年で大きな違いは無い
ようにも思います。
東北医科薬科大学医学部(A方式)と同等の
入試難易度の大学は、東京慈恵会医科大学な
のか、聖マリアンナ医科大学なのか、それと
も両方間違っているのか、何がなんだか分か
らなくなりそうです。

河合塾のボーダーライン偏差値ランクは2.5
刻みです。偏差値70の次は偏差値」67.5です。
これに対して駿台予備学校やベネッセの偏差値
は1刻みです。偏差値70の次は69です。河合
塾の偏差値ランクには69も68もありません。

河合塾としては「入試難易度は偏差値で1刻み
するほどの精度は無い」と考えているのでしょ
う。私立医学部入試は、合格者の数が限られる
ため、ブレが生じやすくなります。入試難易度
を決める際の基データを見ると河合塾の考えも
十分理解できます。

医学部受験生の皆さんにお伝えしたいのは「偏
差値で表される入試難易度は、模試の主催者に
よって違う」「ボーダーライン偏差値は、あくま
で目安、参考」ということです。

「模試」は全ての受験生のために作られています。
私立医学部の出題傾向とは無縁です。「模試」の
結果としての偏差値を、私立医学部入試の実力と
同じと考えるのは、どうかと思います。

「偏差値」は、いい目安にはなると思いますが、
それを絶対視することは、いいことだとは思い
ません。