医学部の情報を読み解く

日本私立学校振興・共済事業団の調査から医学部の動向を見る

今日の北海道は全道的に雨で、札幌の最高気温の予想は20℃です。
東京は34℃だそうですから随分違うものですね。
昨日は地元の方から「暑いですね。暑いでしょ」と何度も言われました。
確かに28℃でしたから、暑いと言えば暑いのですが、
東京のジメジメした暑さとは暑さの質が違います。

さあ、今日も医学部について考えてみましょう。

 

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日本私立学校振興・共済事業団志願倍率の調査報告から、
医学部は志願倍率も特別に高いことが分りましたね。

これまで、医学部入試を様々な角度から見てきましたが、
志願倍率を見てもやはり、医学部は別格でした。

さて今回は、この事業団の調査報告に
学部系統別動向の調査がありますので、
これを少し詳しく見てみましょう。

ただ、この調査は学部別ですので、どうやら医学部の中に
看護学科があれば、それを含めた数値のようです。
とは言え、私立医学部で医学部に医学科以外の学科を併設している大学は
2大学ですので、大きな流れを見る分には問題ないでしょう。

この事業団の学部系統別の調査によれば、
理工学部の定員充足率は前年から4%下がって109%です。
農学部の定員充足率は119%獣医学部123%です。

つまり、入学定員をかなりオーバーして
入学させていることが分ります。
文系学部も同様です。

これに対して医学部はどうでしょう。
医学部の定員充足率は101%です。
つまり、かなり厳格に入学定員を守っているのです。

入学定員の増員を文部科学省から呼び掛けられたにも関わらず、
「教育の質が低下する」と定員増員を頑として拒んだ、
愛知医科大学のような大学も医学部の中にはあります。

大学経営上は、できるだけ多くの学生を入学させたいのは当然で、
他学部では現実に定員をかなりオーバーして入学させています。

しかし、医学部だけは頑なに入学定員を守っています。

「医師は国民共有の財産で、国民の期待に応えられる
質の高い医師を養成する」

という医学部教員の高い意識を感じます。

こんなところにも医学部の独自性が垣間見えますね。