医学部入試への道しるべ!

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2009-07

医学部の現役入学率とは?

「医学部入試の情報を読み解く」とはどういうことかの具体例として、
医師国家試験合格率北里大学医学部の入学者の現役率について述べてきましたが、
医学部の現役入学率について、もう少しお話をしましょう。

「私立医歯学部受験攻略ガイド」(メルリックス学院:毎年10月発行)を
ご覧いただくと各大学医学部の入学者データが掲載されています。

私立医学部では入学者のうち現役生の割合は、
だいたい20~30%程度の大学が多いのですが、
医学部の中でも現役生の割合が高い大学がいくつかあります。

例えば、女子医大は入学者の51%が現役生です。
前回のご説明をお読みいただいた方なら

「ああ、これは推薦入試で現役生がけっこう入学しているな」

とピンとくると思います。

そうです、女子医大は現役生に限った推薦入試27名が入学しています。
現役入学者52名中27名が推薦入試での入学者なのです。

女子医大の入学者は全体で102名です。
推薦入試での現役入学者を差し引くと、
一般入試での入学者中、現役生は24.5%となり、
私立医学部ではごく当り前の現役入学率になります。

次回は、女子医大医学部の推薦入試の続きです。

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医学部で現役に有利な大学は?

医学部受験歯学部受験専門予備校をやっていると、毎日、
全国の医学部受験生歯学部受験生、そして保護者の方から
お問い合わせをたくさんいただきます。
その中で多いご質問が、

「医学部のなかで多浪生でも大丈夫な大学は?」とか
現役に有利な大学は?」というお問い合わせです。

答えを先に言えば、
私立医学部で多浪生が多少なりとも厳しいかなと感じるのは、
慶應と順天の2校です。
その他の大学は気にしなくてもいいと思います。
この件に関しては機会を改めて詳しくお話し致します。

今回は「医学部で現役に有利な大学は?」というテーマなので、それに関して言うと、
例えば北里大学について、
「北里医学部は現役有利」と考えている医学部受験生が少なくないのに驚かされます。
確かに、メルリックス学院が毎年10月に発行する「私立医歯学部 受験攻略ガイド」
北里大学医学部の3ページ目を見ると入学者のデータがあり、
現役が53名で、入学者の48.6%が現役生となっています。
慈恵会(慈恵医大)では現役が34名で33%ですから、
「北里大学の医学部は入学者の半数が現役だから、やっぱり北里医学部、現役有利」
と考えるのも分かる気がします。

ところが、もう一歩踏み込んで考えて下さい。
北里大学医学部は、現役生に限った指定校推薦入試25名が入学しています。
この人達を差し引くと、現役での入学者は28名です。慈恵会よりむしろ少なくなります。

つまり、
「確かに北里医学部の入学者の半数は現役だが、
それは推薦入試で現役25名が入学しているから」です。
これでは一般入試で「現役有利=浪人不利」と考えることには無理があります。

次回は更にこの話を進めます。

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国家試験合格率のどこを見るか?

さて情報について話をすると長くなるのですが、
今回は「情報を読み解く」ことについてお話しします。
医学部受験生歯学部受験生もそれぞれ、
医師国家試験歯科医師国家試験合格率を気にしています。
合格率を気にすることはいいのですが、国試合格率のどこを見ていますか?

新聞などで発表されるのは、大学全体の合格率だけです。
もちろん、それも大切ですが実は厚生労働省からは
新卒既卒(国試浪人)に分けて人数とともに発表されています。

メルリックス学院が毎年6月に発行する「私立医歯学部入試総括」には
掲載されていますが、見るべきは新卒の人数と合格率です。
新卒の国試受験者の数を見ることで留年や卒業延期などの様子をうかがい知ることができます。

つまり定員100名の大学で新卒受験者が120名であれば、
「けっこう留年組がたまっていたんだな」と考えられますし、
90名であれば「留年が多いのかな」と見ることができます。

もちろん、単年度ではなく複数年度を見た方がいいのですが、
単年度でもいいでしょう。
次に新卒の合格率を見て下さい。
例えば、今年の医師国家試験(第103回)で言えば、新卒全体の合格率は94.8%です。

これに対し既卒(国試浪人)の合格率は54.3%です。

京都大学に至っては既卒の合格率は0%です。

つまり、既卒の国試合格率は、本人の能力や大学の教育体制ももちろんですが、
本人の意欲がとりわけ大きいと言うことです。
ですから、既卒を含めた大学全体の合格率だけを見て判断することは
避けてもらいたいものです。

今年の東大の既卒の合格率は75%です。

これに対して山形大学の既卒の合格率は33%です。

これを見て、さすが東大と考えていいのでしょうか。

実は東大の既卒受験者は8名です。
今年の新卒も8名が不合格です。
一方、山形大学の既卒受験者は3名で、今年の新卒の不合格者も3名でした。

これをどう考えるかです。
新卒で3名しか不合格を出さないところを重視するのか、
既卒で75%の合格率を重視するのか、
それはそれぞれの考えでいいと思いますが、
ここを全く見ていないうえでの判断はどうかなと思います。

ちなみに東大の新卒合格率は全体の合格率を下回っているのですね。
東大理III受験者のなかには、「医師になりたい」という気持ち以上に
「日本で一番の難関を突破したい」という理由で受験する受験生もいるようですね。

2009年(第103回)医師国家試験合格率
大学名 総数 新卒 既卒
受験者
合格者
合格率
受験者
合格者
合格率
受験者
合格者
合格率
山形大学 101 96 95.0 98 95 96.9 3 1 33.3
東京大学 112 102 91.1 104 96 92.3 8 6 75.0
京都大学 107 96 89.7 99 96 97.0 8 0 0.0
総合計 8,428 7,668 91.0 7,629 7,234 94.8 799 434 54.3
※総合計=全大学医学部合計+認定および予備試験  

次は「情報を読み解く」のパート2で、医学部・歯学部で「現役に有利な大学は?」です。

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情報について・私立医歯学部入試とは

まず皆さんにお伝えしたいことは医学部・歯学部入試の情報についてです。

私が医学部、歯学部受験生とともに日々合格を目指している予備校、
メルリックス学院には、毎日たくさんのお問い合わせをいただきます。
みなさん情報に飢えているのだと感じます。

医歯専門予備校  メルリックス学院

医学部入試歯学部入試、それも私立大学の医学部・歯学部となると、
受験生の数はそう多くはありません。
従って、高校の先生に聞いても、私立医学部や歯学部入試についてはよく分からない。
塾や予備校に聞いてもやはり同じという状況のようです。

いわゆる大手予備校というところも、どうしても医学部・歯学部と言っても、
国公立に目が向いているうえに、担当者が人事異動などで変わるため、
本当のところはよく分からないのが現実のようです。
大手予備校と言われるところも、私達メルリックス学院が発行する
「私立医歯学部受験攻略ガイド(通称:メル本)」に頼らざるを得ないようで、
受験生からよく「スタッフがメル本見て答えてましたよ」と聞きます。

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ご挨拶

初めまして。渋谷の私立医学部歯学部受験のための予備校
学院長をやっております田尻と申します。

毎年、数多くの医学部受験生歯学部受験生と接してきて、
また全国からのお問い合わせにお答えしてきて、
いろいろと思うところがあります。
特に医学部入試は全ての大学入試のなかで突出して厳しい入試だと思いますが、
受験生はみんなどうしたらいいのか分からず、
不安と戦いながら結局、遠回りをしているように思います。
これまでも別のブログで医学部受験生、歯学部受験生、
そして保護者の方々のお問い合わせにお答えしてきましたが、
気分一新で新しいこのブログで医学部受験、歯学部受験合格のためのアドバイスを
お伝えしてきたいと考えております。

尚、以前のブログの記事も書いた日付で載せてありますので、
よろしければご覧下さい。

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