医学部入試

難しいことをやれば、易しいことはできるのか?

この時期は、
学校見学にお出でくださる方が多くいらっしゃいます。
多くの方とお話させていただいていて、
少し気になることがあります。

難しいことをやりたがる方が多いように思います。

「難問を解けるようになれば、それより易しい問題は自動的に解ける」
と考え、
基本事項が十分でないのに
難しいことをやりたがる方が多いのかなと感じます。

大手予備校に行っていらっしゃった受験生の方が
メルリックスのテキストをご覧になって、「易しい」と
感じることがあるようです。

逆にメルリックスの講師が、
これまで使っていたテキストを見せていただいて、
「私立医学部ではこんな難しいことをやる必要はない」
と言うこともあります。
たとえ、慶応、慈恵でもです。

テキストそのものが、
私立医学部用に作られていないのかもしれません。

いずれにしろ受験勉強のやり方は様々あります。
そのどれか一つが絶対正しくて、
後は間違いということは言えないでしょう。

とは言え、「難しいことをやれば大丈夫」
というやりかたはどうかと思います。

例えば、フィギアスケートで4回転ジャンプを飛ぼうと思ったときに、
とにかく4回転の練習をやっていれば4回転は飛べなくても、
3回転半は飛べるようになるのでしょうか?

それとも、1回転、2回転とフォームを固め、
少しずつステップを踏んでいったほうがいいのでしょうか?

受験勉強において、
基本的あるいは標準的なことを飛ばして一気に難問をやると、
やった問題だけはできるようになるかもしれません。
しかし、その問題の解答にたどり着くために
本来、身についていなければならない事柄が
抜けたままになっていそうです。
ただ、その問題の解答を学んだだけかもしれません。

しかし、同じ問題は出ません。
ちょっと、問題が変形していると「手が出ない」となるでしょう。
解答にたどり着くまでの道筋を分かっていないからです。

私立医学部入試で、合否を分ける問題は
けっして難問と言われるものではありません。
国公立とは違うのです。

私立医学部に合格するために、
「自分はどこから始めどのようにやればいいのか」
医学部入試に詳しい各科目の先生に相談するのもいいでしょう。

どうせやるなら、無駄の無いやり方をやるべきです。

戦う範囲を、私立医学部合格に必要な範囲まで
グッと狭めて、そのかわりそこは「確実にやれる」
というやり方を考えるといいでしょう。