医学部入試

お問い合わせにお答えします『私立医学部のセンター利用について』

入試シーズンに入ってから、
このブログも毎日1000アクセスを
越えるようになりました。

トップページに設置している
「お問い合わせフォーム」からも
毎日色々なお問い合わせをいただきます。

今日はその中から、私立医学部センター試験利用入試
関するお問い合わせにお答えしたいと思います。
ご質問の主はおそらく塾・予備校の
講師をしていらっしゃる方だろうと思います。

●ご質問
新年度が始まるにあたり、1年後の入試で
センター利用受験を受験生に勧めるべきか否かで悩んでおります。
私大医学部を目指す受験生の中には
センター試験を受験すらしない方も沢山いらっしゃいますが、
私個人は4月の段階で「センター試験は受験しない」と
決めてしまうのはもったいないのではないかと考えています。
英語・数学・理科が得意な受験生ならば
センター試験でかなりの高得点を獲得し、
そこで合格を勝ち取ってしまうこともできるのではないかと思います。

センター試験の受験を考えるとなると
社会科や古文の学習についても考えなければいけなくなり、
今のこの時期にセンター利用をするのかどうかを
決めておくのは案外大事なのではないかと思っております。

このご質問に関して、私は次のようにお答えしました。

●回答
このたびはご質問ありがとうございます。

結論から先に申し上げますと、私どもの予備校では
生徒さんに積極的に私立医学部センター利用入試
勧めることはしておりません。

その最も大きな理由は、大学によって違いますが、
私立医学部のセンター利用のボーダーラインは
軒並み90%前後であることが挙げられます。
その中で英語・数学・理科のみで受けられるのは
獨協医科大学、杏林大学、帝京大学、近畿大学
4校しかありません。

センターのボーダーラインが9割ということは、
国公立医学部の中堅校以上とほぼ同じレベルであり、
他の学部で言えば、東大・京大レベルにあたります。
それだけの学力があれば、私立医学部一般入試
複数の合格を勝ち取ることが充分可能だと考えます。

もう1つの大きな理由は、ご質問にもありますが、
私立医学部受験をメインに考える生徒にとって、
一般入試で必要のない国語、特に古文・漢文
英語のリスニング地歴公民の勉強をすることは、
それだけ負担が増えることになります。

受験は時間との戦いであり、
一分一秒も無駄にすることはできません。
センター試験のための国語、リスニング、地歴公民対策に
割く時間を、その分英語・数学・理科の勉強にあてた方が
効率的であると私どもは考えています。

現在、私立医学部29校の中で、
センター利用を実施している大学は
産業医科大学も含めると11校しかありません。
あくまで、私立医学部のセンター利用入試は、
国公立医学部を併願する受験生が
受験機会の負担を減らすためという位置付けで
お考えいただくのがいいかと思います。

もちろん、センター試験を全く受験するな、
ということではありません。
私どもの予備校でも毎年一定数の生徒が
センター試験を受験します。
ただ、特別にセンター試験のための勉強をしたり、
センター利用入試に絞った勉強をすることは
お勧めしていません。