医学部入試

医学部の進学先に迷ったら(2)

医学部の何校かから合格通知をいただいた時、
どの大学に進学すべきか」
昨日に続き、このお話をもう少し。

今日も一人の生徒が「岩手医科大学に手続きをしたが
杏林大学医学部の繰り上げが来たらどうしたらいい?」
と相談に来ました。

彼は東京の高校を卒業した生徒で
補欠順位のいい杏林大学医学部は繰り上るだろうから
その時は杏林大学医学部を優先するつもりだったのですが、
ここへ来て「岩手医科大学もいいかな」と思うようになったそうです。

進学する医学部を考える時いろいろな要因がありますが、
まずは「将来、どうしたいのか」「どの様な学生生活を送りたいのか」
を考えるといいでしょう。

今日の生徒の例で言うなら、救急をやりたいなら
救急が有名な杏林大学医学部ということもあるでしょうし、
医療が十分行き渡っていない地域で
地域に密着した医療をやりたいのなら、
岩手医科大学
もいいでしょう。

また、どんな学生生活を送りたいかという点では
何かと刺激も大きく利便性の高い東京にある
杏林大学医学部もいいでしょうし、
県内に医学部が一つしかなく、地元の方々の期待を受けつつ
落ち着いた環境で医学を学びたいのなら
岩手医科大学もいいでしょう。

また、経済的な面も見逃せないでしょう。
先程の生徒の例ですと6年間の学費は
岩手医科大学の方が300万円安くなります。
また、生活費も盛岡の方が何かと安くなるでしょう。

岩手医科大学は新しい寮もあり、1年次は全寮制です。
学費の他に別途寮費もかかりますが、
食費・光熱費も込みですので
住居費もそれほど負担にはならないでしょう。
ただし、アルバイトの時給は東京の方が高いのは
言うまでもありません。

人によっては、特に年配の医師の方は
新設か旧設かを気にする方もいらっしゃいます。
今回の二つの大学ですと自校出身教授数には
かなり差があります。

その他にもいろいろな要因があると思いますが、
重視してほしいのは、その大学に行った時の自分の感覚です。
キャンパスの立地や施設、先生や職員の雰囲気、
学生の様子などから感じた自分の感覚です。

最後は自分の感覚を信じてもいいのではないでしょうか。

そのためには改めてキャンパスを訪ねてみるのも
一つの方法だと思います。
その際はぜひ付属病院も見学して下さい。
そこが医療人としての原点になるのですから。