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医学部入試と大学入試全体とは異なる

私立大学の定員、志願者、受験者、合格者、入学者などの状況が、
日本私立学校振興・共済事業団から発表されました。事業団が
588大学に調査を依頼し、そのうち回答のあった579大学について
まとめたものです。

2015年度の私立大学全体では志願者、受験者、合格者、入学者は
いずれも増加しました。志願者は351万4千人で前年に比べ
4万9千人増(1.4%増)、私立大学への入学者は48万7千人で
9千人増(2.0%増)でした。

私立大学全体として志願者が増えたのは、新課程入試初年度という
ことで、いつもの年以上に受験生が慎重になり国公立大学志望者で
私立大学を併願する受験生が多くなったり、私立大学志望者が併願校を
増やしたりしたことが考えられます。

また、センター試験で新課程の数学ⅡBや新課程理科が旧課程に
比べてかなり平均点が低くなったことから、センター試験で思った
ような点が取れなかった現役生が私立大学に出願したこともあったと
思われます。

私立大学全体として前年を上回る良い状況であると言えますが、
一方で、それでも定員割れの私立大学は250大学あり私立大学の
43.2%が定員割れという現実があります。前年に比べ定員割れの
私立大学は15校減ったとは言え、厳しい現実があります。

大学入試全体の話と、医学部入試の話とでは、大きな違いがあります。
旺文社さんなどの大学入試研究会に参加させていただくと、いつも
違和感があります。

例えば私立大学全体の入学定員は46万3千人ですが、入学者は48万7千人
でした。入学者の方が2万4千人多くなっています。4割の大学が定員割れ
しているのにです。入学定員をかなり厳密に守っている医学部入試の
感覚とはかなり違います。医学部受験生の皆さんは、医学部入試の現状を
しっかり把握するようにして下さい。