医学部入試

医療用語は必要か?

医学部の小論文について、これまでお伝えしてきましたが、
あくまで私立医学部の小論文についての話です。
私立医学部の小論文と国公立医学部の小論文とでは、求められるものが
異なることも少なくないので当然、準備すべきことも違います。

今日は
「私立医学部の小論文対策として、インフォームド・コンセント、
終末期医療、プライマリ・ケアといったような医療に関する用語を
理解することは必要か?」
についてです。

私立医学部の小論文で出題されるテーマとして、医療に関するものも
当然あります。例えば今年の2月に行われた日本医科大学2次試験の
小論文は、写真付きの出題で
「再生医療が注目を集めている。下の写真は、ネズミの背中で再生した
人の耳である。再生医療について思うことを600字以内で述べなさい。」
という問題でした。

再生医療について、多少なりとも知識があった方が書きやすいでしょう。
ただ、再生医療について、それなりの知識がないと書けないということも
ないでしょう。「再生医療の発展に期待する」ということは誰でも書けると
思います。さらに、耳の再生の写真が添付されているわけですから、
「例えば病気や事故などなんらかの原因で人間の身体の一部を失っても、
再生医療によって失った部分がもう一度機能するようになれば素晴らしいことだ」
くらいも知識が無くても書けるでしょう。

これに、問題点などを加えればいいわけですが、問題点が浮かばなければ
「国の支援が必要」とか「国際的な協調が必要」とか「日本は医療先進国としてリードすべきだ」
などを書けばいいのです。少し話を広げて
「こういった医療の恩恵を誰もが受けられるようにすべきだ」
「再生医療のような研究も大切だが、目の前の患者を大切にする気持ちも忘れてはならない」
といったことを書いてもいいでしょう。
これらを書くのに知識は、ほとんどいらないと思います。

全ての受験勉強の目的を単純に言うと「合格するため」でしょう。
「合格するため」に医療に関する知識はあった方がいいと思います。
問題は「どの程度の知識が必要か」です。

一人の医学部受験生として、小論文のために医療に関する知識を学ぶ時間と
英語や数学、化学などを学ぶ時間とどちらが今の自分にとって必要かを
考えて下さい。受験勉強に使える時間は限られています。

次回も、この続きを。