医学部入試

第112回医師国家試験の合格発表がありました(2018-03-20)

こんにちは。
トータルアドバイザーの鈴村です。

昨日14時、第112回医師国家試験の合格発表が
ありました。

今年から医師国家試験は試験日が3日間から
2日間に短縮され、問題数が減少し、配点と
合格基準にも変更がありました。
全体の合格率は90.1%と、90%を割った昨年の
88.7%より高い数字となりました。

大学別の詳しい数値はこちらをご覧ください。
http://nyushi.melurix.com/archives/1663

さて、皆さんが気になる合格率ですが、まず最も
合格率が高い大学は自治医科大学の99.2%でした。
次いで、横浜市立大学の97.7%、兵庫医科大学の
97.5%と続きます。

また、慶應義塾大学と昭和大学は、新卒合格率100%
を達成しています。慶應義塾大学は111名が出願して
110名が受験して全員合格、昭和大学は103名が出願
して101名が受験して全員合格しています。

この出願者と受験者の差は注目するポイントのひと
つです。また、新卒と既卒の合格率の違いも注目す
べきところです。

例えば、東京慈恵会医科大学は115人が出願して、
115人が受験しています。そのうち、合格したのは
112人で合格率は97.4%です。

医師国家試験の出願は11月に行われます。その後に
行われる大学の卒業試験に合格できなければ、卒業
できませんので、当然国家試験も受験できません。
大学によっては、国家試験で合格できなさそうな成績
の学生を卒業試験で落としたりするなどして、合格可
能性の高い学生に絞って受験させていたりもします。
そうすることによって、新卒の合格率を上げることが
できるわけです。

また、既卒というのは大学を卒業して国家試験を受験
する人、いわゆる国試浪人です。今年の新卒の合格率
が93.3%に対し、既卒の合格率は63.9%です。やはり
既卒生の方が合格率は低くなっています。

皆さんの目に触れるのは全体の合格率ですが、既卒生の
合格率をどれだけ上げられるかが、全体の合格率に関わっ
てきます。兵庫医科大学は新卒の合格率は97.2%ですが、
既卒の合格率は11名が受験して11名全員が合格している
ので100%です。兵庫医科大学の今年の合格率97.5%は、
全医学部の中で3番目ですが、それを支えているのは、
新卒生はもちろんのこと、既卒生の合格率です。

国立大学全体の合格率は91.2%ですが、既卒生の合格率
は60.0%です。私立大学全体の合格率は90.2%と国立大
学より低いですが、既卒生の合格率は72.2%と国立大学
よりも高くなっています。

私立医学部は国家試験の合格率が、優秀な受験生が集ま
るかどうかに関わっているので、国家試験の対策を必死
にやっているところが多いです。国立大学もそうですが、
受験偏差値が高い大学ほど、学生の自主性に任せている
ため、いわゆる「面倒見」は良くないと考えていいで
しょう。

昨年は全体の合格率が88.7%と絞られたため、大学ごと
の合格率も例年より下がった大学が多かったのですが、
私立医学部のいくつかは危機感を持って、学生や保護者
に対して説明会を開いたところもあったようです。それ
ほど、今の私立医学部にとって、国家試験の合格率とい
うのは、優秀な受験生集めの生命線になっているところ
があるのです。

ちなみに「今年の岩手医科大学の合格率が低いのはどう
してですか?」とも聞かれました。あくまで個人的な
推測に過ぎませんが、ある理由によるものと考えていま
すので、その通り正直に答えさせていただきました。
ただし「来年からはこのようなことはないと思います」
ともお答えさせていただきました。

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