医学部入試

兵庫医科大学がセンター試験利用入試を廃止するわけ(2018-04-11)

学院長の田尻です。

先日お伝えしたように、来年度入試から兵庫医科大学では、
英語の資格・検定試験で、一定の基準を満たす成績を取得
していることを出願条件とする一般入試Bを、定員約10名で
始めます。これに伴い、今年度入試まで定員約10名で行って
いたセンター試験利用入試前期と定員約3名で行っていた
センター試験利用入試後期の二つのセンター試験利用入試の
両方を廃止します。

私立医学部でセンター試験利用入試を行う大学は、徐々に増え
現在は17の医学部でセンター試験利用入試が行われています。
年々増えてきた医学部でのセンター試験利用入試の実施校ですが、
藤田保健衛生大学がセンター試験利用入試の後期をいったん廃止
して翌年、再導入した例はありますが、これまでセンター試験
利用入試そのものを廃止した大学はありませんでした。

では、今年度入試まで前期・後期と二つのセンター試験利用入試を
実施し、センター試験利用入試に力を入れていると思われた兵庫医科
大学が、なぜ来年度からセンター試験利用入試を廃止するのでしょか?

兵庫医科大学は、「センター試験は本来、センター試験だけで受験生を
判断するのではなく、センター試験の結果に各大学の試験の結果を加えて
受験生を判断するもの」と考えているようです。確かに国公立大学の入試は
各大学の2次試験で学力試験を行いますので、そうなっています。

私立医学部のセンター試験利用入試も2次試験が行われますが、面接と
小論文くらいの大学がほとんどです。兵庫医科大学のセンター試験利用
入試の2次試験では、前期も後期も面接だけが課せられます。

兵庫医科大学としては、センター試験と面接だけで受験生を判断するのは
難しいと考えたのではないかと思われます。確かに、「私立医学部のセンター
試験利用入試のボーダーラインは9割」と言われる状況ですので、センター
試験は医学部の学力テストとしては簡単過ぎるかもしれません。

近畿大学医学部では以前、一般入試後期の問題は他学部と共通の
問題を使用していましたが、問題が易しすぎ「ボーダー9割」では
受験生の選抜がきちんと出来ないと、後期入試も前期同様に医学部独自の
問題にしたことが思い出されます。

ただ、このことが直ちに私立医学部全体に広まることは無さそうです。

<鈴村より追記>
兵庫医科大学医学部の一般Bは(高大接続型)と名称が付いていることでも
わかる通り、学力の3要素を多面的・総合的に評価する入試として導入されます。
英語の外部試験を利用できるのもそうですが、何が行われるのかまだわからない
「課題型面接」もそれに含まれるでしょう。(ディベート、プレゼンテーションなどが予想されます)
今後、他の医学部でも様々な形で高大接続型の入試選抜が導入されると思われます。
そもそも新テストも、高大接続改革の一環として行われるものですから、
兵庫医科大学としては「ボーダー9割」のセンター利用入試よりも、
高大接続型の一般Bで、きちんと受験生を選抜したいと考えているのかもしれません。

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