医学部入試

医学部入試を論ずるならば(2018-09-08)

東京医科大学での、特定の受験生に対する
特別な対応に端を発し「女子差別」「多浪差別」
といった問題が社会を大きく揺るがしました。

このことをきっかけに「医学部入試」について
の報道も一気に増えました。このブログでも、
これまで数回に渡って、最近の医学部入試に関
する報道に対して、私の考えを述べてきました。

「想像でなく、確かなデータに基づく話である
ことが必要」「曖昧な根拠での、医学部受験生の
不安を煽るような言い方、コメントは控えるべ
き」が私の基本的な考えです。

スマートホンで、グーグルを開くと、私にお勧
めのニュース(記事)が自動的に表示されます。
いつもスマホでも、医学部入試に関することを
調べますので当然、グーグルは医学部入試に関
するニュース(記事)を表示してきます。

一昨日、表示されたニュース(記事)の中に
「これは、いくらなんでも言い過ぎではないか」
と思う記事がありました。

大手出版社のサイトに医学部入試に関する記事
がアップされていました。この記事を書かれた
のは、医学部予備校の関係者で、経歴を見れば
誰もが「医学部入試のプロ」と思うでしょう。

この方が書かれた記事の中に「2次試験(面接
試験)では、差別的な選別があるということが
医学部受験界の常識でもあったから、私たちは
そのことを前提に指導を行ってきた」とありま
した。「医学部受験界の常識」とまで言い切って
います。きれいごとを言うつもりはありません
が、医学部受験指導を30年やってきた私は、
これが「医学部受験界の常識」だとは、知りま
せんでした。

また1990年前後の医学部入試について論じる
ところで「文部科学省高官の息子でなくても、
金さえあれば誰でも入れる医大が、実際にあっ
たのだ」と断定的に述べられています。

1990年前後は、この記事の筆者が受験生の頃
とのことですが、自分が当時も医学部受験指
導を行っていたわけでもない中で、ここまで
言い切る根拠は分かりません。当時の医学部
ボーダーライン偏差値が低かったにしても
「金さえあれば誰でも入れる」は、医学部受験
指導者が言う言葉として違和感を覚えます。

「成績がいい生徒は、ただそれだけの理由で、
進学実績を稼ぐために医学部進学を勧められる。
当然、医学部進学者が多い高校は人気がある」
とも書かれています。東大や京大、地元の
旧帝大の進学実績では、アピール出来ないとは
私は、思いません。医学部より東大ではないか
とも思います。東大合格者の方が分かりやすい
上に、マスコミでも取り上げられる頻度も高い
ように思います。

医学部入試に関する記事の中には、根拠が曖昧
と思われるものもあります。そこは、注意して
見てください。医学部入試を論じるなら、確か
な根拠に基づいて論じる必要があると思います。

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