医学部入試

金沢医科大学が募集人員を3名減らす理由(2019-07-26)

昨日、メルリックス学院に金沢医科大学の
入試担当者2名が来校され、2020年度
入試について説明してくださいました。

金沢医科大学は昨年、文部科学省からAO
入試で、「北陸3県の高校出身者」「卒業生
の子弟・子女」「現役・1浪の受験生」に
それぞれ3点から10点を加点していたこ
とを指摘されました。一般入試の補欠でも
年齢を考慮していたことを指摘されました。

このことへの反省から、2020年度入試
では「医学部受験生の顔をまともに見られ
ないような入試は行わない」という決意の
もと、入試改革を進めています。お会いし
てまず最初に、このことを話されました。

金沢医科大学は様々な入試改革を行います。
まず、これまで募集人員27名で行ってい
たAO入試は募集人員を20名とし、残る
7名は新たに実施する卒業生子女入試に振
り向けました。AO入試と卒業生子女入試
の試験内容は同じです。イメージとしては、
AO入試を募集人員20名の一般枠と募集
人員7名の卒業生子女枠に分けた感じです。
昨年の金沢医科大学AO入試は募集人員
27名に対し、339名が出願しました。
募集人員20名に変更になった今年のAO
入試の志願者数がどうなるのか、募集人員
7名の卒業生子女入試の志願者数がどうな
るのか、気になるところです。

そのあたりを金沢医科大学の方に、聞いて
みました。もちろん明確な答えはありませ
んでしたが、入学者の中の卒業生子女の人
数をお聞きすることで自分なりの予想は出
来ました。

いずれにしても、金沢医科大学のAO入試
と卒業生子女入試の併願は出来ますので、
併願可能な受験生は併願した方がいいでし
ょう。

この金沢医科大学AO入試、卒業生子女入
試では、自己推薦書と他者の推薦書を求め
られますが、他者の推薦書については今年
の入試から参考程度の扱いになるとのこと
です。逆に言うと、2000字以内で書く
自己推薦書は評価され合否に影響しますの
で、一人よがりでない金沢医科大学が求め
る自己推薦書を書く必要があります。

金沢医科大学のAO入試、卒業生子女入試
では、基礎学力試験と面接も行われます。
自己推薦書を含めて、それぞれの配点をお
聞きしたのですが、「その点については、
申し上げない事になっている」とのことで
した。ただし、合否判定におけるそれぞれ
の比重については話してくださいました。
また、調査書も点数化していること、調査
書で重視するところも話してくださいまし
た。

金沢医科大学一般入試前期では理科の配点
が、これまでの理科2科目で200点から、
理科2科目で150点に変更になります。
併せて、試験時間も2科目で120分から
2科目で90分になります。試験時間が短
くなりますので、問題数も少なくなるとの
ことです。一般入試の理科の変更は英語、
数学とのバランスを考えての変更とのこと
です。

一般入試前期、後期で行われる小論文は、
課題文の要約でしたが変更の可能性がある
ようです。グループ面接も変更されるかも
しれません。いずれも現在、検討中とのこ
とです。

一般入試前期、後期の補欠者には、これま
で補欠順位は付いていませんでしたが、補
欠順位を付けての発表となります。また出
来れば、補欠者からの繰り上げ状況も分か
るようにしたいと話されました。

金沢医科大学の募集人員は昨年まで全体で
110名でしたが、今後2年間は107名
になるとのことです。全ての入試を合わせ
た全体の募集人員が3名減となりますが、
これは募集人員3名の編入学試験を行わな
いことで調整します。金沢医科大学の編入
学試験は2年間、実施されないことになり
ました。

昨年、文部科学省から「不適切入試」の指
摘を受け、合否判定をやり直した結果、金
沢医科大学医学部に6名が追加入学されま
した。この6名を2年間で調整するため、
今後2年間の入試で毎年募集人員を3名減
とすることにしたそうです。

医学部再受験生の方々にとっては極めて残
念なことですが、金沢医科大学としても苦
渋の決断だったと思います。

「年齢、浪人年数、性別などによる差別は
一切ありません」と金沢医科大学の入試担
当者は言い切りました。長年のお付き合い
の方ですが「受験生の顔をまともに見られ
ない入試は、やらない」という大学の強い
決意を感じました。