医学部入試

私見、医学部でAO入試が増える理由(2019-07-29)

本日の読売新聞朝刊3面にAO入試に関する
記事が掲載されていました。

AO入試について書かれた記事によると、
「知識偏重ではなく、思考力や主体性を重視
する入試改革の流れを受け、実施校は75%
を超え、全入学生の1割を占める」とされて
います。

具体的な取り組み例として、東北大学が取り
上げられていて、東北大学では、既に合格者
の24%がAO入試での合格者で、来年度は
3割まで増やしたい、と考えているようです。
東北大学の様々な学部の入学生の追跡調査で
は、AO入試での入学者は、一般入試からの
入学者に比べ成績が高く、退学者も少ないと
いう傾向が確認される、とのことです。

大学入試全体で見るとAO入試の導入は進ん
でおり、文部科学省の調査によれば2015年
度入試でのAO入試実施大学は534校であっ
たものが、2018年度入試では35校増え569
校になった、とのことです。「早稲田大がAO
などの入学生を6割まで増やす計画を発表す
るなど拡大傾向が続く」とあります。

昨年の入試から、国公立大学医学部では大阪
市立大学医学部、私立大学医学部では、杏林
大学医学部、東海大学医学部で新たにAO入
試が導入されました。大学入試全体として、
知識偏重ではないAO入試の導入が進んでい
ますが、医学部入試におけるAO入試導入は、
別の側面もあるように思います。

ここからは、私の私見になりますので「間違
いなくこうだ」という話ではないことをご了
承ください。

医学部入学者の現浪別分布を見ると、現役生
が極端に少ない医学部があります。例えば、
杏林大学医学部の2017年度入学生117名中、
現役生は僅か7名です。現役生は1割にも満
たない人数です。2018年度入学生の内訳は
公表されていません。

あまりに現役生が少ないことで以前、杏林大
学から相談を受けたことがあります。学力の
比重が大きい一般入試では、現役生に比べ1
年も2年も受験勉強に時間を費やしている浪
人生に、現役生が勝つことは容易ではありま
せん。

これまでは大学によって、「年齢による操作」
をしていたことが明らかになっていますが、
学年全体のバランスを考えて「若い学生が欲
しい」という意識があってのことではないか
と考えられます。

先にお伝えしたように杏林大学から「現役生
があまりにも少ない」ことの相談を受けた際
に「現役生限定の推薦入試をやってはどうか」
と話しましたが「推薦入試はやらないことに
なっている」との返答でした。ひょっとした
ら、この時の会話が杏林大学医学部の「1浪
まで」のAO入試に繋がったのかもしれませ
ん。

杏林大学医学部の例にもあるように、現在の
医学部入試で、学力重視で入学者を選抜する
と現役生が合格することは、なかなか大変で
す。

学年の構成があまり浪人生に偏らないように
学力以外の面もしっかり見るAO入試の導入
が進んでいるのではないかと私は考えていま
す。そうであれば、医学部AO入試の受験者
に求められるのは、現状での一定の学力に加
えて、入学後の伸びへの期待にあるのではな
いかと思います。

逆に言うと一般入試では、浪人年数による不
適切な扱いは、気にしなくていいとも言える
かもしれません。そうは言っても面接では、
何年も練習している浪人生には現役生以上の
面接が求められると考えておいた方がいいで
しょう。