医学部入試

市販の問題集が危険なわけ(2019-08-23)

「夏」も終わりに近づき医学部受験生も
歯学部受験生も、勉強のピッチが上がって
いると思います。

ただ、医学部合格や歯学部合格に向かって
頑張るのはいいのですが、ちょっと注意し
てもらいたいことがあります。

それは「何を、どうやるか」です。

大学受験には定評のある問題集があり、
それをひたすらやっている受験生もいる
のではないでしょうか?

ここで、もう一度確認しましょう。受験
勉強の直接の目的は「志望校、志望学部
の入試に合格するため」です。受験勉強
には様々な目的があるでしょうが、医学
部受験生、歯学部受験生の皆さんにとっ
ての一番の目的は「志望する医学部に合
格すること。志望する歯学部に合格する
こと」でしょう。

極端な話をすれば志望する医学部、歯学
部の入試で出された問題で合格点さえ取
れればいいのです。

満点はいりませんし、志望校の入試で出
ない問題は、解けなくても問題ありませ
ん。

受験勉強に使える時間は限られています。

理想を言えば「志望校の入試で合格点を
取るために必要な問題だけを勉強する」
です。

市販の問題集は、定評のあるものであれ
ばあるほど「学部に関係なく全ての大学
受験生のために書かれている」です。

学部に関係なく全ての受験生のために書
かれているからこそ、多くの受験生に支
持されています。

特定の学部、特定の大学のために書かれ
た問題集は、使った受験生みんなが「素
晴らしい」「最高の問題集」と言っても大
きな声にはなりません。「定評のある問題
集」にはなり得ません。

大学入試の問題は基本的に、「高校で学ん
だこと」からの出題になります。(医学部
の生物のように、高校の履修範囲を超える
出題も中にはあります)

ですから、全ての受験生のために書かれた
問題集も十分に役に立ちます。ただし、
「どの問題集を、どう使うのか」は、しっ
かり考える必要があります。

自分の学力レベルにあった問題集、自分の
志望学部、志望校にあった問題集の、どの
部分をどう使うのかを考えて勉強を進めて
ください。

受験勉強に使える時間が無限にあるわけで
はありません。問題集1冊を、全てやるこ
とがいい場合は、多くないと思います。

問題集を1冊やり切ると、ものすごく勉強
した満足感はあるでしょう。それが、医学
部入試、歯学部入試への対応力の強化に、
ストレートにつながっていればいいのです
が「そんなの出ないよ」ということでは、
正しい受験勉強とは言えないでしょう。

漫然と問題集をやるのではなく、自分がや
るべき問題集、自分がやるべきやり方を考
えて受験勉強を進めてください。

自分では、どの問題集をどう使えばいいの
か分からなければ医学部入試、歯学部入試
に詳しい先生に「受験予定は、この大学と
この大学とこの大学」と伝えて相談すると
いいでしょう。

「君の今の実力なら、この問題集をこう使
えばいい。ただし、あの大学は、こういう
問題を出すから、それはこの問題集のここ
をやるといい」とアドバイスがもらえると
思います。

相談したい先生が医学部入試、歯学部入試
にそれほど詳しくないようであれば、志望
校の過去問を持参して見てもらうと、先生
もアドバイスしやすいと思います。

ただ、例えば医学部の英語の長文問題では、
医学・医療に関するテーマの文章が出題さ
れがちなように、医学部入試・歯学部入試
には独特の傾向があります。

医学部の化学での「医薬品」を取り上げた
問題や、核酸やATPなどの生命と密接に
関係のある問題に焦点を当てた問題も、医
学入試ではよく見られる問題ですが市販
の問題集には、あまり取り上げられてい
ない問題です。

こういった問題への対策は、市販の問題
集とは別に考えてください。専門予備校
のテキストくらいしか、適当な問題集は
無いように思いますので、過去問を使っ
て医学部、歯学部独特の問題に慣れてお
くといいでしょう。