医学部入試

大学入学共通テストに校長協会が「待った」(2019-09-12)

全国の高等学校の校長が、高校教育について研究
する「全国高等学校長協会」が文部科学大臣宛て
に、2021年度入試から実施される大学入学共通
テストでの英語民間資格・検定試験の活用延期を
求める要望書を提出しました。

すでに全国高等学校長協会は7月25日に、英語
民間資格・検定試験の高校側の不安解消を求める
要望を提出していました。

7月に提出した要望書の中で、大学入学共通テス
トでの英語民間資格・検定試験の活用について
「生徒が希望する時期や場所で英語民間検定試験
を受けられる見通しが依然として立っていない」
など、六つの不安点を挙げていました。

この要望書の中には「TOEICを実施する国際ビ
ジネスコミニュケーション協会が、当然英語成
績提供システムから参加を取り下げる等の報道
がなされるなど、(中略)不安は増すばかりであ
り、教職員をはじめ、生徒・保護者からの問い
合わせにも、校長として責任ある回答ができず、
説明に苦慮している」と高校現場が混乱してい
ることを訴えています。

7月に、文部科学大臣に不安解消の要望書を提
出したものの、今もなお不安は解消されていな
いとして今回、英語民間資格・検定試験の活用
の延期を求めました。

全国470の高校へのアンケートでも、英語民間
試験の活用について69.1%が「課題が解決され
るまで、実施を延期すべきだ」と回答したとの
ことです。

全国高等学校長協会としては、英語4技能学習
の成果を大学入試で測るという方向性は否定し
ていません。ただ、「生徒が希望する検定を、希
望する日時に希望する場所で受験出来る条件が
整備され、検定実施団体の実施状況や大学の活用
状況が明らかになってから、生徒個人が自分に合
った試験を選択し、受験出来るのが本来の在り方
であると考える」として、民間試験の活用延期を
求めました。

この文部科学大臣への英語民間試験の活用延期を
求める要望書の提出には、英検を運営する日本英
語検定協会が、来年4月から7月に行う試験につ
いて、9月18日から予約金を徴収して予約申し込
みを開始する、と発表したこともあったと思われ
ます。予約申し込みをしていて後日の本申し込み
をしなかった場合、予約金の返却はありません。

英語成績提供システムの全体像が固まらない現状
で全国高等学校長協会も、このことを問題視して
いて「到底看過できるものではない」としていま
す。

これに対し文部科学省は「これまで以上に不安の
解消に努め、スケジュール通り実施したい」とし
ています。柴山文部大臣も「(延期は)大きな混乱
を招く」としています。新しく就任する羽生田文
部科学大臣がどのような判断をするのか注目され
ます。

私としても医学部受験生、歯学部受験生の皆さん
の不安を煽るようなことは、取り上げたくないの
ですが、ゴタゴタが続いています。

来年4月の医学部進学、歯学部進学を目指す受験
生の皆さんは、まずは目の前の医学部入試、歯学
部入試に集中してください。

医学部・歯学部を目指す高校2年生の皆さんも、
医学部志望者、歯学部志望者全員が同じ条件です
ので落ち着ついて日々の勉強に取り組んでくださ
い。