医学部入試

藤田医科AO入試を勧める人、勧めない人(2019-09-18)

一昨日の敬老の日は、名古屋で医学部受験生の皆
さんに、お話しをさせて頂きました。その中で、
医学部のAO入試についても触れさせていただき
ました。

医学部のAO入試は、過去問もなく入試内容もよ
く分からないことで敬遠されがちです。例えば、
東海大学医学部AO入試の「オブザベーション
評価」と言われても何のことか分からず、受験を
避けてしまったりします。しかし、それは大変
もったいない話だと思います。

他学部と比べて圧倒的に難しい医学部入試ですか
ら、受験チャンスは多い方がいいと思いますし、
何よりAO入試は、「学力だけじゃない」医学部
入試ですから、学力勝負の一般入試は厳しいと
考える医学部受験生は、一度は受験を検討して
いいと思います。

その際に忘れてならないことは「医学部AO入試
は、求める人物像が明確だ」ということです。一
般的にAO入試は「人物本位の入試」と言われま
すが、医学部のAO入試では一定の学力は求めら
れます。ただし、一般入試では合格が難しい学力
であったとしても、大学が求める人物像と一致す
れば合格=入学許可となります。

藤田医科大学もAO入試を行っていますが、講演
では「名古屋の受験生は地元なので、ぜひ受験を」
とは言いませんでした。むしろ、「藤田医科大学
AO入試は慎重であるべき」との考えを伝えまし
た。

藤田医科大学のアドミッションポリシーの「以下
のような人の入学を求めています」の一番最初に
「藤田医科大学医学部および藤田医科大学病院の
理念を理解し、その発展のために尽くす決意のあ
る人」とあります。

社会貢献の前に、藤田医科大学の発展に尽くす
決意を持った人、が来ています。

AO入試の出願資格には「卒業後に、本学の教育、
研究、臨床の分野で貢献する強い意志を有し、卒
業後本学または関連病院で初期・後期臨床研修の
5年間勤務することを確約できる者」も入ってい
ます。

藤田医科大学AO入試に合格するためには「自分
は、こういう形で藤田医科大学に貢献できる」と
いう具体的な話が必要になります。

出願書類の推薦書は2通以内で、「志願者がどの
ような形で本学に貢献できるか説明できる者の推
薦書」です。受験生本人と推薦者の綿密な打ち合
わせが、必要になります。その前に、誰に推薦書
を依頼するかを考える必要もあります。

受験生本人も藤田医科大学入学後の12年間のビ
ジョンを提出する必要があります。

藤田医科大学AO入試の出願書類を作成するため
には、どうしても時間が掛かってしまいます。
ここに時間をそれほど掛けなくて済むのであれば、
チャレンジしてもいいと思いますが、多くの時間
が必要であれば慎重になってもいいと思います。

提出書類にも、点数は明らかにしていませんが配
点があります。

藤田医科大学AO入試は、合格したら必ず入学す
ることが出願条件にありますが、入学辞退が認め
られる場合があります。国公立大学医学部医学科
の推薦・AO入試、一般入試の前期に合格した場
合だけは入学辞退が認められます。

藤田医科大学としては、私立医学部専願者ではな
く、国公立医学部を第一志望と考えている受験生
をAO入試では想定しているのかもしれません。

昨年の藤田医科大学AO入試では、募集人員約
15名に対し、繰り上げ合格が合計25名も出てい
ます。それだけ国公立大学医学部医学科に合格者
が出たということですから、ハイレベルの戦いで
あったことが伺えます。