医学部入試

志望校を絞って勉強をすれば、合格出来るか?(2019-09-26)

医学部入試、歯学部入試で「受験する大学を絞っ
て対策をすれば、合格出来る」と考える受験生も
いるようです。

「過去問を徹底的に分析し、志望する医学部、歯
学部で『出る問題・出題される分野』に集中して
勉強をすれば、学力的には厳しくても合格出来る」
そのように考える受験生もいるようですし、都市
伝説的に「偏差値40台から、○○大学医学部対
策だけを1年間やって合格した」と言う話もある
ようです。

少し話は逸れますがこの「偏差値40から医学部
合格」といった話は、ウソだとまでは言いません
が、それほど凄い話だとも思いません。

偏差値40は、真実でしょう。しかし、どの模試
の偏差値なのかが重要です。高校2年生の時に東
大志望者のための東大模試を、高校3年生や浪人
生に混じって受けて偏差値40だったとしても、
別の模試では偏差値65や70であっても不思議
ではありません。

また、本当に体調が悪い中で受けた模試の成績か
もしれません。「大逆転合格」の話は、あまりま
ともに受け取らない方がいいと思います。

さて話を戻して「志望校対策」を完璧にすれば、
合格できるか、です。

基本的には、出来ません。

あるとしたら「難易度の高くない国公立大学医
学部、歯学部で、たまたま上手く行った場合」
でしょう。

国公立大学は医学部も歯学部も、一般入試は
最大で2回しか受験出来ません。センター試験
の結果によらず、前期も後期も同じ大学を必ず
受験するのであれば、志望校対策は1校で済み
ます。

この場合「志望校を絞って対策をして上手く
いった」という事もあり得ると思います。
ただ、「合格」と言う結果が志望校対策の結果
と言うのは、言い過ぎの場合が多いようにも
思います。

しかし、私立の医学部・歯学部入試は、こう
は行きません。まず、何校も受験できるのに
1校しか受験しない、というのはあまりにリ
スクが高いと思います。志望校対策も、素晴
らしく有効とまでは思いません。

例えば、日本大学医学部の数学では毎年、積
分の大問が出題されています。だからといっ
て、数学は積分だけをやればいいのでしょう
か?積分は出るかもしれません。しかし、そ
の他の分野は幅広く出されています。

結局、数学全体をきちんとやる必要がありま
す。積分が出ないかもしれませんし、小問と
しての出題かもしれません。

私立の医学部・歯学部を何校か受けるのであ
れば、各校の頻出分野をまとめると、ほとん
ど全ての分野になってしまいます。

鈴村学院長も以前、ブログに書いていました
が、志望校を絞ってそこに集中することは、
私もお勧めいたしません。