医学部入試

医師国家試験の結果からの警告(2020-03-22)

3月16日(月)に今年の医師国家試験、第114回
医師国家試験の合格発表がありました。大阪医科大
学、自治医科大学、産業医科大学の3校が合格率
100%を達成しました。

第114回医師・第113回歯科医師国家試験 大学別合格者状況

このうち、産業医科大学は医師国家試験に出願した
新卒100名のうち実際に受験したのは90名でした。
10名は医師国家試験を受験していません。自治医科
大学の新卒で医師国家試験を受験しなかったのは2名、
大阪医科大学は3名です。同じ合格率100%でも内容
に少し差があります。

医師国家試験合格率を見る時には単純に合格率を
見るだけでなく、出願者数と受験者数も見なければ
なりません。新卒の場合「医師国家試験に受かりそ
うな学生だけを受験させる」という事も可能です。
そこにも注意して見てください。

厚生労働省が発表する医師国家試験合格発表の資料
は、「新卒」の他に「既卒」の欄があります。特に、
医師国家試験合格発表の既卒の欄を見て欲しいと
思います。

国公私立医学部新卒全体の合格率は94.9%でした。
100人受験して95人が合格です。これに対して既卒
全体の合格率は69.2%と7割を切ります。

国立大学医学部全体の既卒合格率は67.1%、公立大学
医学部全体の既卒合格率は73.6%、私立医学部全体の
既卒合格率は77.1%で、既卒の合格率は私立が最も高
くなりました。

既卒の合格率が50%を下回ったのは、合格率40%の
弘前大学医学部と札幌医科大学の他、鹿児島大学医学
部、京都大学医学部の国公立4校です。

京都大学医学部と言えば、東京大学理科Ⅲ類と並ぶ大
学入試の最難関です。ちなみに、東京大学医学部の既
卒合格率は60%で私立医学部全体の既卒合格率77.1%
を下回っています。

国公立医学部の卒業生が医師国家試験で苦労していま
すが、学習能力に問題は無いと思います。問題がある
としたら意欲ではないでしょうか?

医師国家試験の結果を見ると、高い学習能力があって
も「医師になる」という強い意欲が無いと、なかなか
厳しいと言えるのではないかと感じます。

今年の医学部入試で見事に合格を掴み取った皆さん、
医学部進学が目標ではなく、医師になって世の中に
貢献することが目標のはずです。

医学部進学後も「医師になる」という気持ちを忘れな
いでください。

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