昨日、3月20日(金)の福岡歯科大学センター試験
利用入試3期の面接をもって、今年度の私立歯学部
一般入試が全て終了しました。
2020年度の私立歯学部入試に関するデータは、まだ
ほとんど公表されていないのですが、限られたデータ
から私立歯学部入試を振り返ります。
現時点で、私立歯学部一般入試の全ての志願者数が判
明しているの北海道医療大学、日本大学松戸歯学部、
日本大学歯学部、昭和大学歯学部、愛知学院大学歯学
部の5つの歯学部だけです。この5つの歯学部の志願
者数を見ると、一般入試、センター試験利用入試など
の入試種別によって若干違いはありますが、「おおむ
ね志願者は減った」と言えます。
17歯学部のうちの5歯学部だけの話ではありますが、
私立歯学部全体の傾向と考えていいと思います。
では、志願者が減った私立歯学部の入試難易度は下
がった、と考えていいのでしょうか?
私は「大学を選ばなければ入試難易度は下がったかも
しれないが、人気校の難易度に変化は無い」と考えて
います。
歯学部入試を考える際に忘れてはならないのは、「医
学部志望者の動向」です。医学部志望者の併願先で
多いのは、歯学部です。医学部志望者が歯学部を受験
すると歯学部志望者にとって強敵となることが多くな
ります。
昭和大学歯学部選抜Ⅰ期の志願者は前年に比べ156名
も減りました。一方で選抜Ⅱ期の志願者数は前年と同
数でした。昭和大学歯学部は、医学部への転部制度も
あり、医学部志望者が併願先として考えることが多く
あります。選抜Ⅰ期の試験日は東京女子医科大学の試
験日と重なったことで女子受験生は受けにくかったと
思われます。また翌日には昭和大学医学部入試があり、
医学部入試を受けることで歯学部入試を併願したこと
になる「医学部Ⅰ期利用歯学部併願入試」があります
ので、医学部志望者の併願は少なかったと思われます。
一方で、特に医学部との併願者が多くなる選抜Ⅱ期は
志願者が減りませんでした。昭和大学歯学部の状況を
見ると、「医学部志望者の動向は無視できない」と感じ
ます。医学部との併願者が多い歯学部の難易度は、変
わらないと考えられます。
また、歯学部志望者を見ていると、「推薦・AO勝負」
ということを強く感じます。私立歯学部で推薦入試を
実施しないのは明海大学歯学部だけですが、明海大学
はAO入試を実施しています。
メルリックス学院では歯学部推薦入試で、東京歯科大
学11名、日本大学歯学部6名、日本歯科大学(東京)
6名、昭和大学歯学部4名など、合計32名が歯学部
推薦入試で合格しています。歯学部AO入試でも9名
が合格していて、歯学部の推薦入試・AO入試で41名
が合格しています。
「一般入試の前に合格を決める」私立歯学部入試では、
この流れが強くなっていると感じます。
私立歯学部の推薦入試・AO入試を受ける場合、「どう
いった問題が出題され、そこに向かってどういう勉強
を進めればいいか」を理解することが非常に重要にな
ります。私立歯学部を志望される方と話していると
「そんな問題集は、やる必要がないよ」という問題集
を一生懸命やっている受験生が非常に多いと感じます。
「出ない問題」を一生懸命やっている時間はありま
せん。だからこそ、必要なことに絞って勉強を進め
れば、歯学部合格のチャンスは限りなく広がると思
います。