愛知医科大学の補欠の通知が受験された方の手元に届いたようです。
先日、愛知医科大学の繰り上げ合格はこれまでと比べ
増えるのではないかとお伝えしましたが、
そのことの理由について、たくさんお問い合わせをいただいています。
これは今年の愛知医科大学の1次試験日が、
同じ愛知県にある藤田保健衛生大学より早くなったことが理由です。
この5年間、愛知医科大学と藤田保健衛生大学の
繰り上げ合格者数は次の通りになっています。
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | |
愛知医科大学 | 160 | 172 | 24 | 41 | 49 |
藤田保健衛生大学 | 89 | 136 | 186 | 122 | 80 |
(名)
2008年度、2009年度は愛知医科大学の繰り上げ合格者数が
圧倒的に藤田保健衛生大学を上回っていますが、
2010年度から愛知医科大学の繰り上げ合格者数は激減しています。
対照的に、藤田保健衛生大学の繰り上げ合格者数は徐々に増加し、
2010年度からは愛知医科大学を上回っています。
2008年度、2009年度と愛知医科大学は、センター試験直後に
私立医学部の先頭を切って1次試験を行っていました。
しかし、2010年度からは岩手医科大学が
私立医学部の中で最も早く1次試験を行うようになりました。
また、愛知医科大学と藤田保健衛生大学の1次試験日は逆転し、
藤田保健衛生大学の方が愛知医科大学よりも、
1次試験を早く行うようになりました。
結果として、特に中部地方の国公立医学部の志望者が、
日程の早い藤田保健衛生大学を併願校として選ぶ割合が増えたものと思われます。
彼らは少しでも早く国公立の2次対策に取りかかりたいと考えているため、
同じ愛知県にあり、入試の難易度も同じぐらいの2校であれば、
入試日程の早い方を受験したいと考えるのではないでしょうか。
また、愛知医科大学と藤田保健衛生大学の両方を受けた
特に中部地方の受験生にとっては、
「どっちでもいいけど、愛知医科か藤田保健のどちらかに行きたい」
というのが本音ではないでしょうか。
この様な状況ですと、先に合格となった医学部に入学手続きをします。
後になった大学は、既に他の大学に入学手続きをしていれば、
合格通知を受け取ったとしても入学手続きは見送るでしょう。
以上のような理由から、ここ3年間、愛知医科大学の
繰り上げ合格者数は激減していました。
以前は1次補欠者は全員繰り上げ合格になっていましたが、
この3年は1次補欠者の半分以下しか繰り上げが回らない年もありました。
逆に、繰り上げ合格者数が増加した藤田保健衛生大学は、
昨年から補欠候補者に繰り上げ順位が付きました。
そのことにより、藤田保健衛生大学の合格辞退率は下がり、
昨年は久しぶりに繰り上げ合格者が80名と100名を切りました。
けれど今年、愛知医科大学の1次試験は
久しぶりに私立医学部入試の先頭を切って行われました。
同じ日に東邦大学医学部の1次試験も行われました。
愛知医科大学の受験者数はまだ発表されていませんが、
それでも藤田保健衛生大学より5日早く1次試験が
行われたことの影響はあると考えています。
今年、愛知医科大学の1次補欠は90名、2次補欠は156名でした。
1次補欠は去年より2名減っていますが、2次補欠は27名増えています
大学側も、「もしかしたら」ということを考えて、
2次補欠を多めに出しているのではないかと思われます。