文部科学省から、令和2年度(2020年度)
の医学部入学定員の計画が発表されました。
来年4月入学生の定員ですから医学部受験生
の皆さんにとって、非常に気になる話でしょ
う。
文部科学省から発表された2020年度の医
学部入学定員計画では、国立・公立・私立の
医学部81校全体の入学定員は、9330人
で今年4月の医学部入学定員に比べ90名減
となっています。
2007年度(平成19年度)の医学部入学
定員は7625人にまで抑制されていました。
これに対して、救急車のたらいまわしなどか
ら医師不足が社会的な問題となり、「新医師
確保総合対策」「緊急医師確保対策」により、
2008年度(平成20年度)の医学部入学
定員は168人増の7793人になりました。
その後も「地域の医師確保の観点からの定員
増(地域枠)」「研究医養成のための定員増
(研究医枠)」「歯学部入学定員の削減を行う
大学の特例による定員増」の3つの点から医
学部の入学定員は増加を続け、今年4月の入
学生の定員である、2019年度医学部入学
定員は、9420人になっていました。
医学部の入学定員増加前の2007年度の入
学定員に比べ1795人増えています。増加
した医学部入学定員の中には、新設の東北医
科薬科大学医学部の100人、国際医療福祉
大学医学部の140人も含まれています。
これまで増加してきた医学部の定員ですが、
ここへ来て見直しの動きが出て来ました。
文部科学省としては「令和元年度の医学部定
員を超えない範囲で、その必要性を慎重に精
査しつつ、暫定的に現状の医学部定員を概ね
維持」の方針ですが、90人減の計画を発表
しました。
今のところ「計画」ですので今後、変更の可
能性もあるのかもしれませんが、国公私立医
学部81校全体の入学定員は90人減る予定
です。
私立医学部全体では、定員は13人減の予定
です。定員減が予定されている私立医学部は、
杏林大学医学部2人減、順天堂大学医学部5
人減、昭和大学医学部1人減、東京医科大学
1人減、北里大学医学部1人減、金沢医科大
学3人減、近畿大学医学部8人減、川崎医科
大学2人減となっています。
一方で定員増は、日本医科大学5人増、関西
医科大学5人増が計画されています。
医学部受験生の皆さんが注意して見なければ
ならないのは、どの入試区分で定員変更があ
るのか、です。自分が受験する入試区分の
定員を見るようにしてください。
私立医学部の定員が減りますが、私立医学部
入試全体に与える影響は、ほとんどないと私
は、考えています。