医学部再受験

医学部再受験生と歯学部再受験生には、再受験生のやり方がある

 

            目次

 

1. 再受験生には再受験生のやり方がある

2. 再受験生にまず聞くこと

3. ポイントは数学

4. 英語は避けられない

5. 再受験生は、再受験生の面接対策を

 

1.       再受験生には再受験生のやり方がある

 

一度、他学部に進学、あるいは卒業したものの改めて医学部や歯学部への進学を目指す受験生を一般的に医学部再受験生、歯学部再受験生と言います。長く再受験生の指導をしてきて、「再受験生には再受験生のやり方がある」と感じています。

 

一口に「再受験生」と言っても、これまでの学習歴や経歴は様々です。当然、一人ひとりの再受験生に合わせた医学部受験戦略、歯学部受験戦略があって然るべきです。

 

それはそのとおりなのですが一方で、再受験生全体に通じる「やり方」もあると考えています。

 

2.       再受験生にまず聞くこと

 

医学部志望でも歯学部志望でも、私が再受験生の方と面談する時に最初に聞くのは、「前の大学進学の時は、一般入試を受験しましたか?」です。答えが「受験した」なら次に「一般入試に向けて勉強した科目は何ですか?」です。

 

再受験生のやり方の第一は、「大学受験に向けて本気で勉強した科目があるかの確認」です。このことが、再受験の最初のステップです。「これから勉強をすれば、入試で勝負できる科目は何なのか」を確認しないで、漫然と受験のための勉強を始めても効率のいい受験勉強とはなりません。

 

「入試で勝負できる科目」を知り、その科目を生かした入試を行う大学を調べることが、再受験生が合格を勝ち取るためには大切なことです。

 

3.       ポイントは数学

 

この時にポイントとなるのは、数学です。

 

「自分が大学受験をした当時と現在で、数学の履修内容が変わっていないか?」、「数学は、現在で言う数学Ⅲまでやったのか」、ここを曖昧にしたまま、数学に手を付けると途中で、「この分野はやってない」と慌ててしまうかもしれません。

 

そして、数学は最も時間が掛かる科目(正しくは教科)です。「前の大学受験の時には数学は得意だった」という再受験生も、数学は苦労します。数学は日頃使うことが無いので、ほとんどの再受験生は、すっかり抜けています。

 

「数学にどれくらいの時間が必要なのか」は、他科目の勉強に大きく影響します。数学の問題集を少しやってみて、どのくらいの時間が必要なのかを考えてみて下さい。場合によっては、数学が必要ない入試を考えるのもいいと思います。昭和大学医学部一般選抜や日本歯科大学生命歯学部一般選抜など、数学に替えて国語で受験できる入試もあります。

 

「国語では合格出来ない」という噂もあるようですが、実際に昭和大学医学部も日本歯科大学生命歯学部も国語で合格しています。数学の合格者最低点が60点だとすると、国語で60点以上取れればいいのです。数学なら60点は無理でも国語なら60点は取れる、であれば国語受験を考えてもいいでしょう。

 

ただし、国語を選択すると受験できる大学は限られてしまいます。「数学1A・ⅡBまでなら何とかなる」という再受験生もいるでしょう。「限られた時間で合格を勝ち取るためには、どうすべきか」、ここは冷静に判断してください。

 

4.       英語は避けられない

 

医学部再受験生、歯学部再受験生と面談する時の第2の質問は、「英語は使ってますか?」です。

 

医学部受験、歯学部受験で数学は避けられても英語だけは避けられません。英語が医学部受験、歯学部受験の柱です。現状の英語力を聞いて、その人に合った英語の勉強法を提示します。

 

ただし、ここでいう英語力は英語での会話力とは違います。あくまでも、受験英語の力です。ここを勘違いしないでください。「外資系の会社に勤めていて社内公用語は英語」といっても、受験英語への対応力は別だと考えて下さい。

 

受験英語で最も重要な「読む」力があれば、英語力を生かした入試が考えられます。例えば東海大学医学部の「展学のすすめ」入試などです。日本歯科大学生命歯学部や新潟生命歯学部、朝日大学歯学部の編入学試験の学力試験は英語だけです。

 

医学部受験であれ歯学部受験であれ、再受験生のやり方は、入試までに自分が受験勉強に使える時間をもとに、「自分が、入試で勝負できる科目を知る」、「勝負できる科目を生かせる入試を調べる」そして、「最も合格に近づける入試戦略を考える」です。

 

5.       再受験生は、再受験生の面接対策を

 

最後に、再受験生は面接が非常に重要になります。再受験生を合格させるということは、「異質の学生を受け入れる」ということになります。当然、面接のハードルは高くなります。表面的な面接対策でなく、面接官がどういった目で再受験生を見ているかを考えた「再受験生の面接対策」を行って下さい。

 

オンライン個別指導メルオンでは今年、九州在住の35歳の再受験生が医学部に進学しました。1次試験には1校しか合格出来なかったのですが、たった1校1次試験に合格出来たその医学部で2次試験にも合格出来ました。その大学の方から以前、「面接で40人以上落とした」と聞いていました。それだけ面接を重視している大学です。完璧な面接対策が医学部合格の決め手になったと思います。

 

合格者を1名しか出さなかった獨協医科大学医学部AO入試の合格者も、メルオンで学んだ医学部再受験生でしした。

 

再受験生の皆さんは、面接まできっちり仕上げて下さい。