医学部受験生、歯学部受験生と話していると、よく
「部活してないけど推薦入試、大丈夫ですか?」
「特にアピール出来るようなことは何もないので、
AOは無理ですよね」と聞かれます。
確かに、私の手元にある大学入試に関する受験情報
誌には学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜
(AO入試)について、「学業以外に部活やボラン
ティアなどの実績でチャレンジ」「意欲、可能性を
アピール」と書かれています。
昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大でスポーツ
や文化活動の全国大会が中止になりました。これを
受けて「推薦入試やAO入試でアピールする材料を
得る機会が無くなった」と言われました。
こういったことを見たり聞いたりすると医学部受験
生・歯学部受験生の皆さんは、学校推薦型選抜や総
合型選抜では部活など、何かアピールするものが必
要だ、と思うかもしれませんが医学部と歯学部に限
って言えば、関係ありません。他学部とは異なりま
す。
逆に言うと、部活で活躍したからと言っても医学部
入試、歯学部入試では有利になると考えないでくだ
さい。
ラグビーワールドカップでも大活躍した福岡堅樹選
手が順天堂大学医学部に一般選抜で合格しましたが、
福岡選手くらいになれば2次試験の面接では実績が
有利に働いたのではないかと思います。
特に順天堂大学医学部の面接は、賞状やトロフィー
などを持参するよう大学から求められますので、十
分にアピール出来たと思います。
ただし、これは特殊なケースです。「全国大会に
出場しました」では、アピールにはならないと思
います。
医学部、歯学部は卒業後に医師国家試験、歯科医師
国家試験が待ち受けています。大学は、国家試験に
合格する力をつけさせなければなりません。
大学入学後、大学の教育プログラムをこなすことの
出来る人材でなければ、入学させることは難しくな
ります。
医学部、歯学部は自校で実施する試験を最大限に重
視しています。部活やボランティアなどは、「無いと
不利」と考える必要はありません。
ただし、部活やボランティアをやってはいけない、
ということではありませんので、誤解しないように
してください。