東京女子医科大学医学部の学校推薦型選抜(推薦入試)の募集人員が昨年までの約23名から、今年は10名増の約33名に変更されました。
募集人員が10名も増えて約33名となりましたので、北里大学医学部の学校推薦型選抜に次いで、私立医学部で募集人員の多い学校推薦型選抜となりました。
募集人員が10名も増えたわけですから受験生としては「ラッキー。チャンスが大きくなった」と考えるのは自然なことでしょう。
しかし、合格のチャンスが大きくなったと考えるのは単純過ぎる考えです。
東京女子医科大学推薦の募集人員が10名増えた理由を考えて下さい。
それは、「昨年まであった指定校推薦入試が廃止されたから」です。
昨年まで、女子医の指定校推薦は募集人員約10名で行われていました。
東京女子医科大学医学部では今年から、募集人員約10名の指定校推薦入試を廃止しました。
指定校推薦入試に振り向けられていた、「約10名」が公募推薦入試に振り向けられました。
ということは、昨年まで東京女子医科大学の指定校であった高校の「女子医志望者」が、これまでの「指定校」ではなく「公募」に回ることになります。
指定校推薦の募集人員が公募推薦入試に回ってきましたが、それと同時に志願者も指定校から公募に回ってきます。
ですから、東京女子医科大学の学校推薦型選抜は「合格のチャンスが広がった」と考えるわけには行きません。
東京女子医科大学の推薦入試では出願書類に、800字の「志望理由書」と400字の「自己評価書」があります。
「何を書いたらいいのか分からない」という声をよく聞きますが、「何を書く必要があるのか」は入試要項に書かれています。
では、具体的に「何をどう書いたらいいのか?」ですが、これは「女子医の志望理由書と自己評価書は、誰が何のために使うのか」を考えて下さい。
東京女子医科大学の面接官が、面接の資料として使います。
志望理由書や自己評価書そのものを評価するわけではありません。
あくまで面接の材料です。
東京女子医科大学推薦の志望理由書や自己評価書を書く際に、小論文の先生の指導を受けたり添削をしてもらったりすることもあると思います。
ここで問題となるのは、「小論文の先生は全て想像でやっている」という点です。
小論文の先生で女子医の関係者と直接話したことのある先生は、まずいないでしょう。
「医学部の志望理由書だから、こうだろう」という想像で指導していると思います。
自己評価書も同様です。
小論文の先生が間違った指導をするとは思いません。
しかし、「極めて効果的な指導」となるかは、やや心配でもあります。
女子医推薦の面接官は3名で、そのうち2名は丸学長と石黒医学部長が務めて来ました。
「学長と学部長が面接官で、その人たちが資料として使う」という意識を持って志望理由書と自己評価書を書いて下さい。
ちなみに石黒医学部長は皮膚科の先生ですが、一度現場を離れた女性医療人の再教育にも力を入れています。