医学部受験にも歯学部受験にも一般選抜(一般入試)だけでなく学校推薦型選抜(推薦入試)や総合型選抜(AO入試)があることは皆さん、ご存じでしょう。
そして、医学部や歯学部の推薦入試・AO入試は一般入試に比べ合格のチャンスの大きい入試と言えることもご存じでしょう。
それはいいのですが、単純に「学校推薦型選抜なら受かりそう」、「AOなら何とかなる」と考えるほど医学部入試、歯学部入試は甘くありません。
先日、学校推薦型選抜や総合型選抜に力を入れている予備校のオンライン説明会を見る機会がありました。
1時間以上にも渡る説明会でしたが、しっかりした説明会でした。
学校推薦型選抜や総合型選抜に詳しくない受験生や保護者の方にとっては「推薦入試ってこうなんだ」、「総合型選抜は、こういう大学入試なんだ」と役に立ったと思います。
ただ、この説明会はすべての大学・学部の学校推薦型選抜・総合型選抜についての説明会でしたので、私の感覚とはかなり違うところもいくつかありました。
例えば、一番最初の講師の方の自己紹介で、自分の「趣味」の話がありました。
「どうして私の趣味の話をするのか疑問に思う方もいると思うが、あとでその理由が分かる」とのことでした。
話が進んで学校推薦型選抜や総合型選抜で大切なことは「自分の好きなことを突き詰めたいという志望動機だ」、との話がありました。
確かに「この大学のこの学部で、自分が非常に興味を持っているこのことを学びたい」というのは王道かもしれません。
ただ、医学部受験、歯学部受験における学校推薦型選抜や総合型選抜での志望動機では
「好き」とか「興味を持っている」では全く物足りません。
医学部、歯学部での学びは、医師免許や歯科医師免許の取得を前提としています。
肝心なことは「医師免許、歯科医師免許を取得して何がしたいのか」「何をするために医師免許、歯科医師免許が必要なのか」が最重要ポイントです。
臨床であれ研究であれ、「好き」、「興味がある」の先まで行く必要があります。
説明会では「合格のポイント」、「合格に向けての準備の仕方、進め方」についても話がありましたが医学部入試、歯学部入試に集中している私からすると「そんなのでいいの?」と
いう感覚を持ちました。
例えば指定校推薦入試の話になった時、「指定校推薦が取れれば、ほぼ合格は決まったようなもの」という話がありましたが、私立医学部の指定校推薦入試の厳しさを見てきた私は「ほぼ合格は決まったようなものってどこの話?」と思ってしまいました。
しっかりした役に立つ説明会でしたが、大学入試全体の話としてはいいのでしょうが「医学部入試、歯学部入試とは、かなり違うな」と思いました。
医学部受験、歯学部受験に備えている皆さんは、「他の学部と医学部、歯学部の推薦・AOは全く別物」ということを忘れないで医学部、歯学部の学校推薦型選抜、総合型選抜の合格のための準備を進めてください。
友達が「推薦なんて、これで大丈夫」、「AOは学力関係ない」という話をするかもしれませんが、そういった話に引きずられないで、医学部や歯学部志望校の推薦・AOに合格するための的確な準備を進めてください。