「受験業界で話題沸騰 東洋大学が学力のみで合否を決める推薦入試導入の衝撃」というタイトルの記事が、信用力のあるサイトに掲載されていました。
記事では、「推薦入試での入学者が大学入学者の半数を超えた」という前置きに続いて
「推薦入試が過半数」のトレンドの中で、衝撃的なニュースがあった。
従来の推薦入試は、学力テストではなく、評定平均値や活動実績、小論文、面接、グループディスカッションなどで合否を決めていくものだった。
ところがだ、東洋大学が学力テストのみで合否を決める推薦入試をはじめると発表した。
と書かれています。
この記事では「推薦入試は学力テストではなく、評定平均値や活動実績、小論文、面接、グループディスカッションなどで合否を決めていくものだった」としています。
出版大手の小学館が運営する信用力のあるサイトに書かれていた記事ですから、この記事を読んだ医学部や歯学部を目指す受験生や親御さんが、「推薦入試は評定平均値や活動実績が重要なんだ」と考えてしまうのも仕方無いでしょう。
「推薦入試の合否を決めるのは学力テストでない」との記事には驚きました。
東洋大学を含めた、医学部や歯学部以外の学部の推薦入試(学校推薦型選抜)のことは詳しくありませんので何とも言えませんが、医学部の推薦入試、歯学部の推薦入試を長きに渡り指導してきた身としては、「学力試験以外で合否を決める推薦入試ってあるのか?」という思いです。
医学部受験、歯学部受験に向けて日々頑張っている受験生の皆さんや親御さんの多くの方が同じ思いだと思いますが、こういった記事の影響を受ける方もいるかもしれません。
記事は断定的に書かれていますので、惑わされる受験生や親御さんもいるかもしれませんが、少なくとも医学部の推薦入試、歯学部の推薦入試では評定平均値も活動実績も合否には、まず影響しません。
公募制推薦入試は、全国どこの高校の生徒でも出願条件を満たしていれば出願出来ます。
バリバリの進学校の評定3.8と、ほとんどの生徒が大学には進学しない高校の評定
4.0を比較するのは無理です。
活動実績も関係ありません。
医学部も歯学部も入学後の勉強は大変厳しく、基礎学力の無い受験生では入学後が不安です。
スポーツの全国大会で輝かしい成績を残したとしても、学力が伴わなければ入学後の勉強には大いに不安が残ります。
医学部の学校推薦型選抜(推薦入試)でも歯学部の学校推薦型選抜(推薦入試)でも
問われるのは「これまで何をしてきたか」ではなく「入学後、しっかりついて来ることが出来るか」です。
「これまで」ではなく「これから」です。
医学部や歯学部を目指す皆さんは、こういう入試情報に惑わされないようにしてください。