歯学部入試

歯学部の小論文は医学部小論文とは違います。

今日は歯学部の小論文についてお伝えします。

昨日は医学部の小論文について、間違った考えの受験生が多いことをお伝えしましたが、歯学部の小論文は医学部の小論文とも違います。

 

歯学部の小論文で最も大切なことは「どのようなことを問われても、制限字数は書き切れる」

です。

ここは医学部の小論文と同じで、「小論文が上手く書けたから、学力試験の不振を乗り越えて合格」はありません。

しかし、「小論文が書けなかったから不合格」はあります。

 

ですから、歯学部の小論文で最も大切なことは「上手く書く」ことではなく、「知らないことが出題されても、制限字数を書き切ることは出来る」です。

 

昨年の日本歯科大学生命歯学部の推薦入試(学校推薦型選抜)は、66名が受験し64名が合格、不合格は2名でした。

一昨年の日本歯科大学生命歯学部推薦入試は77名が受験し75名合格、不合格は2名でした。

 

受験者のほとんどが合格する中で、わずかですが不合格となる受験生もいます。

日本歯科大学の方に「不合格者はやはり学力試験(英語)が出来ていなかったのですか?」とお聞きしたところ「違う」との返答でした。

 

日本歯科大学の方の説明によれば、「推薦の不合格者は、小論文が書けていない受験生」とのことでした。

「小論文が書けていないから不合格」の実例です。

歯学部の小論文のポイントは、「上手く書くことより、知らないことでも書ける」ことです。

 

学力試験には出題範囲があり、高校で学んだことの中から出題されます。

しかし、小論文には出題範囲はありません。

どの様な問題であっても、文句は言えません。

「学んだことの中から出題される」とは言えません。

 

だからこそ、歯学部の小論文では「知らないことでも書ける」ことが何より重要です。

ここは、医学部の小論文と同じです。

 

ただ、歯学部の小論文は医学部の小論文との違いもあります。

医学部の小論文は、課題文が与えられてそれを読んだうえでの自分の考えを書く、課題文型が多くなります。

しかし、歯学部の小論文では課題文が与えられることは少なく、例えば「高齢社会の歯科医師の役割について書きなさい」といった、小論文の「テーマ」だけが与えられる「テーマ型」がほとんどです。

 

歯学部の小論文で与えられる「テーマ」の多くは、歯科や医療に関するものが多くなります。

ですから、歯学部入試に向けて小論文の勉強をするのであれば医療、特に歯科医療に関するテーマで練習するといいでしょう。

 

小論文は、あくまで「自分はこう考える」ということを書くものです。

与えられたテーマについての解説は求められません。

「正しい知識を持っていないと小論文は書けない」と思っている受験生は多いようですが、そんなことはありません。

「こういうことだと思うが、それについて自分はこう考える」で問題ありません。

 

歯学部の小論文では、「書き慣れる」ことが重要です。

歯学部入試に向けた小論文の勉強では、自分の手で書くことを心がけてください。