目次
- 東京歯科大学市川総合病院の事業譲渡が決定
- 私立歯学部の中での東京歯科大学の圧倒的な立ち位置
2-1 私立歯学部偏差値ランキングで常に最上位 - 医学部志望者の併願先として選ばれ続ける理由
- 市川総合病院譲渡は「後退」ではなく「戦略的判断」
- 歯科医師国家試験合格率が示す東京歯科大学の真の実力
- 慶應義塾大学との合併話はどうなったのか
- まとめ|東京歯科大学は今後も最優先で検討すべき歯学部
- 東京歯科大学市川総合病院の事業譲渡が決定
2025年12月19日に東京歯科大学と国際医療福祉大学の双方から発表されたニュースによると、東京歯科大学が開設・運営してきた市川総合病院を、学校法人国際医療福祉大学に譲渡する契約を締結しました。
譲渡は 2026年4月1日付で実施 され、同病院は新たに「国際医療福祉大学市川総合病院」 として再スタートすることになります。
このニュースを見て、
- なぜ、病院を譲渡するのか?
- 今後、東京歯科大学の歯科教育は大丈夫なのか
- 臨床実習や国家試験対策に影響はないのか
と不安を感じた受験生・保護者の方も多いでしょう。
しかし結論から言えば、歯科教育への悪影響はなく、むしろ今後の歯科教育の充実が期待できる判断と考えられます。
- 私立歯学部の中での東京歯科大学の圧倒的な立ち位置
まず前提として理解しておきたいのは、東京歯科大学は私立歯学部の中でも明確に「トップ校」と位置づけられている大学であるという点です。
2-1 私立歯学部偏差値ランキングで常に最難関
具体的な偏差値データを見ると、その立ち位置は非常に明確です。
- 河合塾の歯学部偏差値ランキング
→ ボーダーライン偏差値 55
→ 私立歯学部の中で 単独トップ - 駿台の歯学部偏差値ランキング
→ ボーダーライン偏差値 52
→ 昭和医科大学歯学部と並び、私立歯学部最難関
これは一時的な数字ではなく、長年にわたって維持されてきた安定した評価です。
つまり東京歯科大学は、「歯学部ならどこでもいい」という層が集まる大学ではなく、
学力の高い受験生が集まる歯学部だと言えます。
- 医学部志望者の併願先として選ばれ続ける理由
東京歯科大学の大きな特徴の一つが、医学部志望者の併願先として本気で選ばれている歯学部である点です。
なぜ医学部志望者が東京歯科大学を併願するのか
理由は非常にシンプルです。
- 医学部受験と親和性の高い入試科目
- 学力的に妥協感のないレベル
- 歯科にとどまらず全身管理を重視した教育
- 歯科病院ではなく医科も持つ市川総合病院
- 非常に高い歯科医師国家試験合格率
- 明治時代から続く圧倒的な伝統
このような東京歯科大学において市川総合病院は、歯科と医科をつなぐ教育の重要な拠点として機能してきました。
今回の事業譲渡後も、医学部志望者が魅力を感じてきた教育環境は維持されます。
もちろん、歯学部志望者にとっても魅力は変わりません。
- 市川総合病院譲渡は「後退」ではなく「戦略的判断」
では、なぜ東京歯科大学は市川総合病院を譲渡する判断をしたのでしょうか。
教育の質を守るための経営判断
市川総合病院は、
- 医科中心の総合病院であること
- 経営面では赤字が続いていたこと
といった背景を抱えていました。
報道によれば、市川総合病院は物価高や人件費の上昇によって2023年度は約9億円、2024年度には約16億5千万円の赤字を計上していた、とのことです。
大学としては、
- 赤字部門を無理に維持し続ける
- 教育投資に回すべき資源が圧迫される
よりも、
病院運営は経営基盤の安定した大学に任せ、東京歯科大学は歯科教育に集中する
という、極めて合理的な判断を下したと考えるべきでしょう。
具体的には今年7月に東京歯科大学が国際医療福祉大学に病院譲渡を打診したとのことです。
これは縮小ではなく、歯学教育の質を高めるための前向きな整理、と考えていいでしょう。
市川総合病院を譲渡しても東京歯科大学には水道橋病院と千葉歯科医療センターが残ります。
- 歯科医師国家試験合格率が示す東京歯科大学の真の実力
歯学部志望者の歯学部選びで最も重要な指標は、歯科医師国家試験合格率です。
歯科医師になるために歯学部に進学するわけですから、歯科医師国家試験合格率を重視するのは当然でしょう。
2025年実施の歯科医師国家試験での東京歯科大学の合格率は95.6%でした。
第118回歯科医師国家試験で全国1位
東京歯科大学のホームページには、「第118回歯科医師国家試験(2025年実施)において、東京歯科大学は国公私立29歯科大学・歯学部中、総合成績で全国1位となりました」と記載されています。
これは単年の結果ではありません。
東京歯科大学のホームページには
- 25年連続 No.1
- 低学年からの徹底した学習サポート
- 基礎から臨床、国家試験まで一貫した教育体制
「学生一人ひとりが積み上げた知識と実力が、国家試験本番で確実に発揮されている結果です」と書かれています。
- 慶應義塾大学との合併話はどうなったのか
かつて大きな注目を集めた慶應義塾大学との統合構想についても触れておきます。
現時点では、
- 当初予定されていた時期での合併は実現していない
- 統合の具体的スケジュールは未定
- 完全な破談ではなく協議は継続中
という状況です。
受験生・保護者の方は、当面は東京歯科大学単独での教育体制が続くと理解しておけば問題ありません。
- まとめ|東京歯科大学は今後も最優先で検討すべき歯学部
今回の市川総合病院事業譲渡は、歯学部受験において マイナス材料ではありません。
- 私立歯学部トップの偏差値水準
- 医学部志望者が併願する学力レベル
- 国家試験25年連続No.1という圧倒的実績
- 教育資源を歯学部に集中させる戦略的判断
これらを総合すると、
東京歯科大学は今後も「歯学部受験で最優先候補」と言える大学です。
歯学部進学を本気で考える受験生、そして将来を見据えて大学を選びたい保護者の方にとって、東京歯科大学の価値は今後も揺るがないと考えられます
なお、今年の東京歯科大学推薦入試ではメルオンから9名が合格しました。
東京歯科大学の学校推薦型選抜(推薦入試)は、過去問が公表されていなく、受験生は「何をやったらいいのか分からない」、教える方も「何を教えたらいいのか分からない」のが現実です。
メルオンでは毎年、東京歯科大学を受験した生徒からの報告で「何が出たのか」、「どのくらいの難易度だったのか」、「試験時間内に解き切れる量か」、「小論文はどのような問題だったか」、「面接では何を聞かれたか・どのような雰囲気だったのか」といったことをほとんど完璧に把握しています。
ですからメルオンでは東京歯科大学推薦入試に合格するために必要なことを的確に指導することが出来ました。
私自身も東京歯科大学からの依頼で2回、東京歯科大学の教職員向けに講演を行っています。
東京歯科大学対策には自信を持っています。

