今朝の朝日新聞の1面トップを見て
驚いた方も多いのではないでしょうか。
朝日新聞によると、国内の3つの私立大学が
医学部新設のための準備を進めているということです。
その3つの大学とは、
北海道医療大学(北海道)
国際医療福祉大学(栃木県)
聖隷クリストファー大学(静岡県)
の3つです。
この3つの大学に共通するのは、
いずれも看護や福祉系学部を持っていること、
実習に必要な大学病院や関連病院があること、
そして地方にあることの3つです。
1981年に琉球大学医学部が設置されたのを最後に、
国内の医学部新設はありません。
その間、W大やR大などが医学部を設置するのではないか
という噂が囁かれたりもしましたが、
国は一貫して医学部の定員抑制策を取り続けていました。
それが近年の医師不足により、一転して定員増が行われ、
2007年度の7625人から、2010年度は8846人と
医学部の定員は1000人以上増加しています。
また、昨年政権の座についた民主党は、
マニフェストとして、
医学部定員を現在の1.5倍にすることを掲げています。
その流れもあって、医学部の設置基準の緩和が進み、
今回名前が挙がった大学の他にも、
医学部設置を検討する大学は出てくると思います。
医療が高度化し、チーム医療の重要性が増している中で、
厚生労働省は「特定看護師(仮)」制度を設置し、
医師の指示のもとで、従来より幅広い範囲の医療行為を行える看護師を
養成するという案を公表しています。
今回、名前の挙がった3つの大学は、
北海道医療大学が看護福祉学部、
国際医療福祉大学が福岡看護学部、
聖隷クリストファー大学が看護学部と、
いずれも看護系の学部を持っています。
また、北海道医療大学と国際医療福祉大学には
チーム医療に欠かせない薬学部があります。
北海道医療大学と国際医療福祉大学は
大学病院も持っています。
北海道には北海道大学をはじめとして、
札幌医科大学や旭川医科大学がありますが、
私立大学の医学部はありません。
聖隷クリストファー大学の名前が挙がったのは
ちょっと意外な感じもしましたが、
日本で最初に独立したホスピス病棟が開設された
聖隷三方原病院を系列病院に持ち、
2007年4月より施行されたがん基本対策法により、
緩和医療の充実が急がれていることを考えれば、
メディカルスクール(医師養成大学院)の設置も含めて
検討しているのは当然の流れなのかもしれません。
また、北海道医療大学だけでなく、
薬学部を併設している歯学部は、
大学病院を持っていることもあり、
他にも追随する動きが出てくるかもしれません。
このところ、受験生の人気低下が著しい歯学部ですが、
これでまた大きな変化があるかもしれませんね。
いずれにせよ、国際医療福祉大学は
来年度の設置を目指しているとのことで、
しばらくは医学部新設のニュースから
目が離せなくなりそうです。