今年度の医学部入試も1次試験
合格者の発表に続き、2次試験も
始まっています。
この医学部入試の2次試験で課
されることの多い「医学部の面
接」の指導をしていて気になる
ことがあります。
医学部の面接に関して、難しく
考えすぎていて、かえって身動
きが取れない医学部受験生が少
なくないと感じています。
忘れて欲しくないのは「医学部
入試で面接を受けるのは、医学
の専門教育を受けたわけでは無
い、ただの受験生である」とい
うことです。
医学部の面接官は、受験生に対
する質問ですから、専門的な、
高度な答えを期待しているわけ
ではありません。
気をつけて欲しいのは「医学部
の面接について語っているのは、
受験の専門家」ということです。
医学部の面接について語るのは、
予備校の人間であったり、大学
受験を仕事としている人であっ
たりです。
数日前も、医学部受験生を指導
する方が医学部面接についてイン
ターネット上で語っていました。
この方は面識もありますし、よく
存じ上げています。本も何冊か出
されていて、その「ねた」や「資
料」を提供したりもしています。
大変熱心な方です。
しかし、熱心なあまり少し過大かな
と思うこともあります。
先日の記事には、「渋谷のハロウィン
騒動をどう思いますか?」という質
問に対し「自己決定権と他害禁止原
理を問う意図があると考えられる」
と書かれていました。
これを読んだ受験生は、何を答えて
いいか困惑するのではないでしょう
か?「他害禁止原理って、何?
知らなければ、どうしたらいいの?
そんなことまで知っておく必要が
あるの?」と思うのではないでしょ
うか。
新型出生前診断について聞かれた
ことについて「医学研究と生命倫理
の協調と両立はなしうるか、という
問題が内在している問題」としてい
ます。
深い知識があればいいのですが、学
科の受験勉強に時間を使う必要のあ
る医学部受験生に、そこまで要求す
るのは、どうなのかと思います。
怖いのは、こういった記事に触れた親
が受験生に過大な要求をしてしまうこ
とです。この記事を書いたのは大学受
験の専門家であって、医学部の面接官
ではないということです。
医学部の面接は、受験生レベルで答え
られれば問題ありません。医学部関係
者と何度も会う中で確認しています。
難しく考えすぎて、自分で自分の手足
を縛らないようにしてください。