昨日、元医学部再受験生であった女性が2018年
1月から2月の医学部一般入試で、不適切な扱い
から不合格とされていたことに対し、損害賠償を
求めて東京地方裁判所に提訴したことが報道され
ました。
報道によると、この女性は東京医科大学、昭和大
学医学部、順天堂大学医学部を受験したものの、
東京医科大学では性別、昭和大学医学部では年齢
を理由とした不適切な扱いで、2次試験では不合
格とされました。また、順天堂大学医学部では性
別と年齢による不適切な扱いで1次試験不合格と
されていました。
昨年の医学部の不正、不適切入試問題での文部科
学省からの指摘を受け、3大学が改めて合否判定
を見直したところ、東京医科大学と昭和大学医学
部からは「合格していた」との連絡があり、順天
堂大学医学部からは、「1次試験に合格していた」
との連絡が、受験生本人にあったとのことです。
この方の記者会見の様子も報道されていましたが、
「合格していた」の連絡も大学によって差があり
電話で事務的に連絡をしてきて「本当に申し訳な
かった」と言う気持ちが感じられない大学もあっ
たようです。
この方は、現在は別の医学部に在籍していますが、
記者会見では「医師の道を閉ざされ、人生を変え
られる受験生が出ないよう、裁判を通じて今後の
対策を求めていきたい」と話したとのことです。
医学部入試に限らず、入試はブラックボックスの
ように感じます。外部からは、その中が全く見え
ません。模擬試験は答案が返ってきますので、ど
こで部分点がもらえたか、自分では正答できたと
思っていた解答で点がもらえていなかった等、採
点の内容も知ることが出来ます。万一、採点ミス
があっても自分で気づくことが出来ます。
入試では、そうは行きません。誰がどう採点して
いるのか、どういう基準で採点しているのか、残
念ながら見えません。合否の判断基準もはっきり
しないことが多くありました。
入試結果も、大学によっては非常に少ないデータ
しか公表しない大学もあります。
これまではそうだったとしても、今後は「開かれ
た入試」が当たり前になることを期待しますし、
最近の動きを見ると、そうなって行くと思います。
とは言え、期待ばかり先行させるわけには行きま
せん。各医学部が現実に「どうなのか、どうなっ
たのか」はしっかり見極めることを心がけます。
ちなみに、東京医科大学から「追加合格」の連絡
を受けたメルリックスの卒業生は、現在在籍する
医学部で引き続き勉強をすることにしましたが、
東京医科大学との間で「補償」の話がまとまった、
と連絡がありました。