日本の医学部は、国立大学医学部43校、
公立大学医学部8校、私立大学医学部
31校、合計82の医学部があります。
(防衛医科大学校を含む)
82の医学部に入学するためには、各
大学の医学部入試を突破する必要があ
りますが、医学部入試は他の学部を圧
する難しさです。
たとえば、日本の大学で最も難しいと
される東京大学の理科Ⅰ類、Ⅱ類より
入試難易度の高い医学部は珍しくあり
ません。
「国公立大学医学部の中で難しめの医
学部医学科に合格しようと思えば、東
大の理科Ⅰ類、理科Ⅱ類に合格する程
度の学力では、まだ足りない」という
ことです。
私立大学医学部も同様で、私立大学で
最も入試難易度が高いとされる早稲田
大学や慶應義塾大学の理系学部の中で
も、最難関の学科に合格する程度の学
力では、合格できない私立大学医学部
は少なくありません。
現在の医学部入試が厳しいのは「滑り
止め」と言える大学が無いことにより
ます。
医学部受験生の親世代が大学受験生だ
った当時は、「やさしい医学部」もあっ
たようですが現在は、どの医学部も非常
に難しくなっています。
大学入試全体の中で、医学部入試だけ
が突出した難関入試になっています。
日本の大学医学部に入学することが、こ
れだけ厳しいと目先を変えて、海外の医
学部に進学するという道を考える医学部
受験生や親御さんもいるようです。
メルリックス学院から東海大学医学部編
入学試験に合格された方の中に、去年も、
今年も東欧の医学部に一度は進学され
た方がいました。
医学部入試で、医学部中退は大きなマイ
ナスになります。他の医学部で上手く行
かなかった受験生を入学させることは、
大学としても躊躇するでしょう。
医学部中退を隠す、という事もあるかも
しれませんが、東海大学医学部編入学試
験では、出願書類に経歴を細かく書きま
すので、海外の医学部に進学したことを
隠すことは出来ません。
こういった経歴の場合、面接が非常に重
要になりますので、「東欧の医学部に進学
したのに、なぜ今さら日本の医学部を目
指すのか」と言う質問に対する答えを、
何を言われてもいいように、まず固めま
す。その過程で「なぜ、進学した海外の
医学部ではダメなのか」を徹底的に掘り
下げます。
海外の医学部で学んでいた方の話によれ
ば「大学によっても違うだろうが、卒業は出
来るとは思うけれど何年かかるかわからな
い」ということでした。
「確かに留年なく卒業している方もいるし、
卒業すれば、日本の医師国家試験を受
けることも出来る。合格して医師として働
いている方ももちろんいる。ただ、無事に
卒業すれば、と言う話である」ということ
でした。
その方が在籍していた東欧の医学部は、
海外からの留学生を多く受け入れようと
して、適正規模を超える学生を入学させ
ることもあったようです。
「国からの支援が十分には無い中、留学
生の学費を期待している部分もあるので
はないか」と話していました。
さらに、言葉の問題もあって留年者はや
はりそれなりにいて、もともと入学生が
多い上に留年者も重なって学習環境と
して適切とは言えないような状況もあっ
たようです。
その方が在籍していた大学の試験は、口
頭試問もあったとのことですが、教員の
数が足りないため、そもそも試験すら受
けられない状況もあったようです。
「試験を受けられないため進級が出来な
い状態」もあり得るとのことです。
海外の医学部の事情は、私が直接現地に
行って確認したわけではありませんが、
一口に「海外の医学部」と言っても、大
学ごとに事情が違うかもしれません。
海外の医学部に行ってはダメだ、と言う
つもりはありません。ただ、海外の医学
部を検討する時は、1学年の実際の人数、
日本人学生の6年ストレートでの卒業率、
過去3年の日本人入学者の現在の状況な
どを確認するといいと思います。