東京医科大学は、いわゆる「旧設医学部」として、
医学部受験生の人気を集めていました。
しかし昨年、過去の医学部入試で特定の受験生を
合格させる不正があったこと、年齢や性別によっ
て受験生を不適切に扱ってきたこと、の2点が明
らかになり、国公私立を問わない文部科学省の医
学部全体への緊急調査につながりました。
東京医科大学は、過去の医学部入試の合格判定を
見直したところ本来、合格すべき受験生であった
にもかかわらず年齢や性別による不適切な扱いで
不合格とされていた受験生の存在が判明しました。
受験した当時は不合格とされたものの再度の合格
判定で、合格となった受験生のうち東京医科大学
への入学を希望する者は改めて、合格=入学許可
としました。
新たに合格=入学許可となった受験生は今年4月
に、1年生として東京医科大学に入学しました。
一般入試の前に、既に一定数の入学者が決まって
いた関係で一般入試の募集人員はその分、減員さ
れました。
昨年の東京医科大学一般入試の募集人員は、当初
予定されていた75名の半数以下となる34名と
なりました。
東京医科大学は、もともと私立医学部の中でも入
試難易度が高かったうえに、募集人員が半数以下
の34名となっては医学部受験生としては「受か
る気がしない」と感じたでしょう。
この結果、昨年の東京医科大学一般入試の志願者
は、966名にまで落ち込みました。前年志願者の
3分の1を下回る志願者数でした。実際に受験し
た受験者数を、繰り上げ合格者を含む総合格者数
で割った実質倍率では6.0倍となりました。私立
医学部入試では、あまり見ることのない低倍率で
した。
昨年の一般入試は、こういった状況だった東京医
科大学ですが来年2月の一般入試は、どうなるで
しょうか?
まず一般入試の募集人員ですが、以前と同じ75名
となります。昨年は、「東京医科大学の不正入試や
不適切入試に拒否感を覚えた医学部受験生が、東
京医科大学への出願を見送った」と言われたりし
ました。私は、この意見に賛成しませんが仮に、
昨年こういうことがあったとしても、受験生の意
識の中の「東京医科大学=いや」という意識は薄
まっている様に思います。
次に、東京医科大学一般入試の試験内容ですが、
変化はありません。しかし、入試日程上の変化は
あります。
東京医科大学一般入試の1次試験日は、日本大学
医学部(N方式)、久留米大学医学部(前期)の
1次試験日と重なりました。旧設医学部3校の1
次試験が重なりました。
また、この日は医学部6校の2次試験日にもなっ
ていて様々な要因が複雑に絡み合っています。
東京医科大学一般入試の志願者数は、昨年のよう
なことは考えられませんが、以前のように3千人
程度の志願者を集められるか、判断を下すのはま
だ早いと思います。
模試で合格可能性判定に東京医科大学を記入し
た医学部受験生数の動き、そして一般入試の前
に行われる推薦入試の志願者数を確認してから、
東京医科大学の志望動向を最終的に判断すると
いいと思います。
私も、このブログで東京医科大学の志望動向を
引き続きお伝えしていきます。