医学部入試

日本医科大学のAO入試をどう考えるか(2019-09-14)

私立医学部の中でも医学部受験生の高い人気を誇る
日本医科大学が、新たにAO入試を行うことになり
ました。

これで、私立医学部でAO入試を行う大学は獨協医
科大学、杏林大学医学部、東海大学医学部、金沢
医科大学、藤田医科大学と合わせて6校になりま
した。

日本医科大学のAO入試の募集人員は2名と、多く
はありません。しかし、出願資格に他の医学部のよ
うに、年齢や浪人年数での制限はありません。また、
高校卒業や卒業見込みの医学部受験生に限らず、高
卒認定や大検資格でも受験が認められています。

「これまでの経歴に関わらず、広く日本医科大学に
ふさわしい人材を集めたい」という大学の意思が感
じられます。他の医学部のAO入試に出願出来ない
医学部受験生も日本医科大学ならAO入試にチャレ
ンジ出来ます。

日本医科大学AO入試の1次試験は、900点満点の
センター試験になり国語、英語、数学、理科、地理
歴史公民の5教科7科目を受験する必要があります。
国語や地理歴史公民の受験勉強をやっていない私立
医学部受験生は、手が出しにくい医学部入試でしょ
う。試験科目から考えると日本医科大学は、国公立
大学医学部を第一志望とする受験生を念頭に置いて
いるのかもしれません。

1次試験に合格すると2次試験は、小論文と面接に
なります。ただ、日本医科大学によると1次試験の
合格基準は「概ね9割」としています。センター試
験のボーダーラインが85%を下回る国公立大学医
学部が少なくない中で「概ね9割」は、かなり高い
合格ラインと言えます。

ただ、これはあくまでセンター試験利用入試ではな
くAO入試です。試験内容を見ると一見、センター
試験利用入試のようにも見えますがAO入試です。

AO入試ですので「学力も大切だが、学力以外の面
も評価する」入試です。

確かに「センター9割」と言われると尻込みしてし
まうかもしれません。しかし、多少強気になっても
いいと思います。学力だけでなく人物そのものも評
価するAO入試だということがまず挙げられますが、
もう1点強気になってもいいと思う点があります。

日本医科大学AO入試は、合格したら必ず入学する
ことが前提の「専願」ではありません。合格しても
入学を辞退することができます。補欠からの繰り上
げ合格の可能性があります。

日本医科大学AO入試の正規合格者は、日本医科大
学より志望順位の高い医学部にも合格することが考
えられます。そうなると、日本医科大学の入学は辞
退し、繰り上げ合格が出ます。

最終的に繰り上げ合格が何人出て、センター試験得
点率がどこまで下がるかは分かりませんが、あまり
「センター9割」にこだわる必要はないかもしれま
せん。