文部科学省から過去の医学部入試での「不適切な
事案」を指摘された日本大学医学部が「不適切な
事案」に対する対応と、その検証結果を公表しま
した。
「医学部一般入試に関する調査検証委員会」の報
告書によれば、追加合格者(繰り上げ合格者)を
発表する際に、「入学意欲が高いと思われる一部
の受験者を優先的に選定していた」としています。
この「入学意欲が高いと思われる一部の受験生」
は「大学附属病院や関連病院の維持発展に資する
可能性の高い同学部同窓の子女」とされています。
こういった、同窓子女を補欠からの繰り上げ合格
の際に、優先的な扱いをしたのは追加合格者(繰
り上げ合格者)からも入学辞退者が出るため、「最
終的に適切な入学者の人数を確保することに苦慮
していた」ことから、と報告しています。
この表現には、どこかスッキリしない思いの医学
部受験生も多いのではないでしょうか?
定員92名の試験に4千名程度の医学部受験生が
志願する入試で「適切な入学者の人数を確保する
ことに苦慮」と言われても、すぐには納得しにく
いのではないでしょうか?
私立医学部は、どの大学も入学式直前まで辞退者
が出れば、その対応をしています。今年も4月に
入ってからも繰り上げ合格が出た医学部があります。
事務の方は大変でしょうが、キッチリやってもらい
たいと思います。
文部科学省からの「不適切な事案」の指摘を受け、
日本大学医学部は、入試の実施方法を見直して
います。「医学部一般入試に関する調査検証委員
会」の報告書には「平成31年度入学試験の実施
状況」も記載されています。今年、2月の一般
入試の実施状況についてです。この「実施状況」
について見て行きましょう。
調査書は、段階評価に加え点数化もしていたもの
を、点数化することは取り止めています。日本大
学医学部一般入試では、調査書を点数化していた
ことが明らかになりましたが、点数化は取り止め
られました。
面接は、これまで3人の面接官が一人10点の持
ち点で合計30点としていたものを、「より客観性
を持たせるため、点数配分を下げた」としていま
す。具体的に何点の配点にしたのかについては、
触れられていません。
また、面接官は「出来る限り女性の面接官を採用し、
多くのブースに入るようにした」とあります。
小論文については、これまで「一人当たり10点満
点で3名の評価者の合計30点としていたが、主観
により評価の違いを生じる可能性があることから、
今年度は(中略)評価者一人当たりの点数配分を下
げた」としています。小論文の点数が何点になった
かについては、明らかにされていません。
適性検査は、「2種類の適性検査を行い、どちらか
一つでも『不適』と判定されれば、直ちに不合格
とした」と報告されています。
なお、報告書の最後には「1次試験(科目別素点)、
2次試験点数および2次試験後の最終合格点を開示
する予定」と書かれています。
特に「いつ」ということは書かれていなく「予定」
とされていますが、具体的な日時が判明しましたら
改めてお伝えいたします。