厚生労働省が昨日、2025年に看護師や准看護
師、保健師、助産師の看護職員が6万人~27万
人不足するという見通しを発表しました。
医師不足は、医学部の小論文や面接でもよく取り
上げられるので、医学部受験生の皆さんも意識し
ていると思います。同じ医療職の看護職について
も、医学部の面接や小論文で取り上げられるかも
しれません。
厚生労働省はワーク・ライフ・バランスが今後、
改善されることを念頭に残業時間や有休日数も
考慮し、2025年の看護職員の需要と供給を
推計しました。
看護職員の必要数は勤務環境が現状に近いとす
ると190万人とされ、供給数の推計は175
万人~182万人とされました。
都道府県別に見ると東京都、神奈川県、大阪府
などの大都市圏での看護職員不足が見込まれま
す。2025年に団塊の世代が75歳以上とな
り、大都市圏を中心に医療需要が大きく伸びる
ことが看護職員の不足につながると見られてい
ます。
看護職員の数が足りているように見える地域も
ありますが厚生労働省は「足りているとされる
所でも山間部などの病院や訪問看護、介護分野
を担う看護師が不足するところがある」として
います。
看護師、准看護師、保健師、助産師の看護職員
は現在167万人で増加を続けていますが「夜
間救急を中止したり、入院患者の受け入れを
制限したりしている例もある」と朝日新聞
は伝えています。
「神奈川県では県内14の病院が看護師の不
足を理由の一つとして、休止や使っていない
病棟があり、不足する看護師は14病院で少
なくとも199人。徳島県那賀町の町立上那
賀病院では看護師の夜勤シフトが組めないこ
とから4月に夜間の救急診療を廃止した」と
いうことも朝日新聞は伝えています。
看護師の確保策としては、院内保育園の整備
や出産・育児後の復職サポートなどが考えら
れます。
東京女子医科大学は、医師や看護師などの女
性医療人が長く医療現場で活躍できるよう
「女性医療人キャリア形成センター」を作っ
て復職支援などをしています。
現状では看護師は女性が多く、出産などで
現場を離れた後の復職支援、働きやすい環境
作りが急がれると思います。
医学部の面接では、医師不足については準備
している受験生が多いと思われますので、あ
えて「医師不足が言われているけど、看護師
も不足している。看護師の不足について、ど
う思う?」という質問があるかもしれません。
MMIで、今回の厚生労働省の発表資料が使わ
れることも考えられます。