医学部入試、歯学部入試では、基本的に学力試験の
他に小論文も課されます。小論文を避けて通ること
は出来ません。
小論文と一口に言っても医学部受験生、歯学部受験
生の皆さんが準備をしなければならないのは、「医
学部の小論文」「歯学部の小論文」に対してです。
大学入試で小論文が課されるのは、医学部・歯学部
に限った話ではありません。特に推薦入試(学校推
薦型選抜)やAO入試(総合型選抜)では医学部・
歯学部だけでなく、全ての学部で課されることが多
くなります。
では、他の学部を志望する受験生と一緒の授業でも
いいのでしょうか?
「小論文とは何か?」、「原稿用紙はどう使うのか?」
こういった小論文の初めの一歩は、他の学部志望者
と一緒の授業でも構わなと思います。ただ、そこか
ら先は、やはり医学部志望者なら医学部の小論文を、
歯学部志望者なら歯学部の小論文を意識した勉強が
必要だと思います。
例えば、2019年度の昭和大学医学部Ⅰ期の小論文
は「薬剤耐性は、人だけでなく動物にも認められる
ので保健衛生上、両者に対するワンヘルス・アプロ
ーチはどのような対策があるか」でした。この年の
東京女子医科大学の小論文は「あなたの母親が『遺
伝性乳がん』の疑いがあると診断された。あなたと
母親が遺伝子検査を受けることに賛成か反対かを述
べよ」でした。
関西医科大学後期では「近年、へき地医療、救急、
産科、外科など肉体的・精神的に過酷な領域の敬遠
は、地域医療と診療科の不均衡による医療崩壊の一
因である。医師を志すあなたの考えを述べよ」とい
う小論文が出題されました。
歯学部では、日本大学松戸歯学部の「人生100年時
代の歯科医療の役割を述べなさい」愛知学院大学歯
学部の「最近の歯科医療の進歩について述べなさい」
といった小論文が出題されています。
さすがにこういった小論文は、他学部志望者と一緒
にやっていては書けないでしょう。やはり、医学部
の小論文対策、歯学部の小論文対策は必要だと考え
ます。
では、医学部の小論文対策、歯学部の小論文対策は、
いつからやればいいのでしょう?
私は、「今から」とは思いません。まず数学、英語、
理科を優先させるべきだと思います。「小論文とは
何か」「小論文と作文の違いは何か」が分かってい
れば、早いに越したことはありませんが6月くらい
からでもいいかなと思います。一般入試だけを考え
るなら夏休みくらいからでもいいのでは、と思い
ます。
大切なことは、医学部であれ歯学部であれ「志望
校の小論文が書けるようになること」です。そこ
を意識した小論文対策を進めてください。