医学部入試は、私立も国公立も最難関の入試である
ことに変わりはありません。しかし、高校の成績が
いい、優等生が合格するとは限りません。
今年の医学部入試で、慶應義塾大学医学部と東京医
科歯科大学医学部医学科に現役で合格した生徒が、
います。第一志望は慶應義塾大学医学部でしたので、
東京医科歯科大学医学部医学科の入学は辞退しまし
た。
この生徒は、バリバリの進学校に通っていましたが
高校では、けして優等生ではありませんでした。
その高校では、成績上位の生徒で医学部志望者は多
いのですが、現役での慶應義塾大学医学部や東京医
科歯科大学医学部の合格者は彼だけで、「優等生」
はことごとく合格出来なかった、とのことです。
合格した生徒の信条は「受験は攻略するもの」でし
た。
日頃の勉強では、慶應義塾大学医学部や東京医科歯
科大学医学部に合格するための勉強に集中していま
した。けして、高校の学習範囲全てが満遍なく出来
ることを目指してはいませんでした。
「慶應や東京医科歯科で出る問題で合格点が取れれ
ばいい。出ない問題は出来なくてもいい」と考えて
受験勉強を進めていました。
高校の授業は、慶應や東京医科歯科のために行って
いるわけではありません。医学部受験者のために行
っているわけでもありません。様々な大学、様々な
学部を受ける生徒全員のための授業です。
ですから、合格した生徒は高校の優等生ではありま
せんでした。しかし、慶應義塾大学医学部や東京医
科歯科大学医学部の問題への対応力は磨き抜かれて
いました。
高校の授業を疎かにしていいとは思いませんが、医
学部合格に向かって何に力を入れるのか、メリハリ
は考えていいと思います。