先日もお伝えしたように、来年1月の大学入学共通テスト(共通テスト)の確定志願者は
前年より2万人以上減少し、1992年以来32年ぶりに50万人の大台を下回りました。
「共通テストの志願者50万人割れ」、について旺文社教育情報センターがその原因を分析しています。
旺文社教育情報センターは、共通テストの志願者大幅減の原因として2点を挙げています。
1つ目は、「高校3年生の人数が大きく減少している」ことを志願者減の理由として挙げています。
今年の高校3年生の人数は92万7千人で、昨年の高校3年生の人数97万人と比べると
4万3千人も減少しています。
もちろん、高校3年生全員が大学を受験するわけではありませんが、高校3年生が4万人以上減少していれば、共通テストに出願する現役生も当然大きく減少します。
高校3年生のうち、共通テストに出願する人の割合を示す、「現役志願率」は過去最高になりました。
とは言え、現役志願率は前年と比べて0.2%の伸びですから、大勢に影響するような伸びではありません。
旺文社教育情報センターが挙げる共通テスト志願者減の2つ目の要因は、「年内入試受験者の増加」を挙げています。
「年内入試」とは、一般入試(一般選抜)の前に合格通知を手にすることの出来る推薦入試(学校推薦型選抜)やAO入試(総合型選抜)を指します。
今年、もし浪人することになれば「新課程入試」となります。
これを避けたいと「年内入試」で進学を決めに行く受験生が多かったことで、共通テストの志願者が減少した、と旺文社情報センターは分析しています。
併せて、共通テストそのものが、思考力重視のテストで対策が簡単ではないことも「共通テスト離れ」につながった、としています。
私立医学部入試、私立歯学部入試でも共通テスト利用入試は実施されていますが、私は私立医学部入試や私立歯学部入試での共通テスト利用入試は勧めていません。
共通テストを必ず受ける、国公立医学部や国公立歯学部を第一志望とする受験生が、私立医学部、歯学部の共通テスト利用入試に出願して来ますので、募集人員が少ないこともあって、「ボーダーライン得点率」は非常に高くなります。
ボーダーライン得点率を上回るためには、共通テスト対策に力を入れる必要がありますが、その時間を私立対策に使った方が志望校合格の可能性は間違いなく高くなると考えています。
私立医学部や私立歯学部専願の受験生は、共通テスト利用入試より通常の一般選抜に力を入れることをオススメします。