医学部入試

親御さんも分かって欲しい、偏差値が上がらないのは当たり前

医学部受験、歯学部受験のための勉強は志望校の試験で合格点を取るためにするもので、「偏差値」を上げるためではありません。

そうは言っても、受験生も親御さんも、模試を受けるたびに「偏差値」が気になって仕方がないようです。

 

確かに「模試の得点」を見ても、成績が伸びているのかは分かりにくいと思います。

「順位」と言っても、模試の場合は毎回、受験者数が異なりますので、これも分かりにくい指標でしょう。

そこへ行くと「偏差値」は、前回やこれまでの自分の数値と比較が出来て、非常に分かりやすい指標でしょう。

 

受験生本人も親御さんも気にする「偏差値」ですが、「偏差値は上がらなくて当り前」です。

 

こう言うと「なに、言ってるんだ」と思う方も少なくないと思います。

しかし、特に親御さんはこのことをしっかり理解してください。

 

偏差値を簡単に言うと「平均点を取った人を偏差値50とし、その集団の中での自分の位置を示すもの」です。

偏差値は、母集団(試験を受けた人)が一定であれば分かりやすく「使える」指標ですが、実際の模試は受験者数も毎回異なりますし、受験者の顔ぶれも変化します。

つまり「偏差値」は、単純に比較することは難しい指標です。

運動会の徒競走では、一緒に走る人によって自分の順位が変わるイメージです。

 

では、「偏差値は上がらなくて当り前」とは、どういうことでしょうか?

ここで、「偏差値は母集団の中での自分の位置」ということを思い出してください。

 

「100人で競って前回は50位だったが、その後猛練習・猛勉強をしたから今回は当然、順位は上がる」と考えがちですが、それは「自分だけが猛練習・猛勉強した」場合の話です。

 

しかし、受験勉強は自分だけが頑張るものではありません。

他の受験生も同じように努力を積み重ねています。

自分が前進していることは確かでしょうが、自分だけが前進しているわけではありません。

そうなると「集団の中の自分の位置を示す」偏差値は変わりません。

 

「競っている受験生、全員が頑張っているから偏差値は上がらなくて当り前」ということです。

偏差値が上がらないのは、「努力していないから」ではなく、「他の受験生も努力をしているから」です。

 

ですから、「模試の偏差値が上がらない」ことはある意味、当り前のことです。

浪人生は、「5月の模試の偏差値を最後まで維持できればいい」です。

これは、5月の模試は少し前まで2年生だった現役生が集団の多くを占めているからで、現役生が3年生の範囲を終えるころには、浪人生の順位は相対的に下がりがちです。

 

とは言え、偏差値は上がった方がいいのは間違いありません。

そこで大切なのは、「受験勉強のやり方」、「使う教材の選び方」、などを自分なりに工夫することです。

どうやったら今まで以上に効率的、効果的な受験勉強を進めることが出来るのか、自分なりに考えることが大切です。