来年1月に本試験が実施される2025年度大学入試共通テストの受験案内の配布が始まりました。
受験生の皆さんは、共通テストに出願するかを決めなければなりません。
医学部受験でも歯学部受験でも、国公立医学部や国公立歯学部の受験を考えているのであれば、共通テストへの出願は必須です。
迷う必要はありません。
問題は私立医学部受験、私立歯学部受験だけを考えている受験生です。
国公立医学部、歯学部受験と違い共通テストの受験は必須ではありません。
必須ではありませんが私立医学部、私立歯学部だけの受験を考えている受験生に「共通テストを受ける意味はない」ということではありません。
私立医学部入試にも私立歯学部入試にも、「共通テスト利用入試」があります。
共通テストを受ければ、医学部でも歯学部でも共通テスト利用入試に出願が出来ます。
では、私立専願者も共通テストを受けるべきでしょうか?
私は、そうは考えていません。
医学部入試でも歯学部入試でも、「共通テスト利用入試のボーダーラインが非常に高い」からです。
例えば、駿台予備学校発表の私立医学部共通テスト利用入試のボーダーライン得点率を見ると、獨協医科大学が82.0%、東海大学医学部が84.2%、そして帝京大学医学部が90.0%となっています。
この他にも藤田医科大学が86.4%、近畿大学医学部が88.0%、福岡大学医学部が87.1%といわゆる新設医学部でも共通テスト利用入試のボーダーライン得点率は非常に高くなっています。
ちなみに国公立大学医学部の共通テストボーダーライン得点率は、福島県立医科大学が80.0%、高知大学医学部も80.0%となっています。
駿台予備学校の私立歯学部共通テスト利用入試のボーダーライン得点率を見ると、東京歯科大学が71.7%、日本大学歯学部が71.7%、日本歯科大学生命歯学部が71.7%と3校とも同じボーダーライン得点率になっています。
私立歯学部共通テスト利用入試には、一人が何校にも出願するのでこういう結果になっていると思います。
大阪歯科大学の共通テスト利用入試を見てみると、3科目型は78.3%、2科目型になると84.0%にもなっています。
国公立大学歯学部の共通テストボーダーライン得点率を見てみると、岡山大学歯学部は73.9%、九州歯科大学は75.6%となっています。
このように私立医学部入試でも、私立歯学部入試でも共通テスト利用入試のボーダーライン得点率は非常に高いものがあります。
ここまで持っていくには相当、共通テスト対策に時間を掛けないといけないでしょう。
私は、その時間があったら普通の一般選抜の準備に使ったほうがいいと考えています。
医学部合格、歯学部合格の可能性は、普通の一般選抜に絞った方が高くなると考えています。
私立医学部入試、私立歯学部入試の共通テスト利用入試は、国公立併願組に任せておけばいいと思います。
「共通テストを受けてはいけない」、とまでは言いませんが受けるにしても「試験慣れ」くらいの気持ちでいいと思います。