医学部受験でも歯学部受験でも、「模試の成績を見ると完全に合格圏なのに結果が出ない受験生」がいます。
こういった「本番に弱い受験生」は、なぜ本番に弱いのでしょうか?
これは、一口で言うと「本番と普段の勉強や模試とは緊張感、切迫感が全く違うから」です。
相撲の世界では「稽古場横綱」と言う言葉があるそうです。
「稽古場では横綱のように強い」ということですが、裏を返せば「本場所では、強くない」ということです。
「日頃の稽古では力を出してめっぽう強いのに、緊張感に溢れる本場所では力を出し切れない」、こういう力士を指す言葉です。
医学部受験、歯学部受験でも同じような人がいます。
以前、医学部入試を終え「この生徒が合格出来ないなんて」という女子の生徒がいました。
そこで、問題を持ち帰ることの出来る大学の問題を持ってきてもらって、先生の目の前で改めて解いてもらいました。
数学の問題を解きながら生徒は泣き出しました。
「どうして入試の時は、あんなことをやってしまったんだろう」、「解けないと思ったこの問題、実は簡単だったんだ」、問題を解きながら、こういった思いがあふれ出てきたようです。
医学部入試本番では、いつもと同じ精神状態ではいられなかったようです。
「本番に弱いタイプ」とは、こういったことを起こしがちな受験生です。
真面目で優等生タイプに多いように思います。
医学部入試も歯学部入試も、「一発勝負」的なところがあります。
だからこその緊張感、切迫感なのですが、医学部受験でも歯学部受験でも一般選抜は、複数校を受けられます。
「今日の入試で失敗したら、もうダメだ」ではなく、「今日の入試は、何回か受ける中の一つ」と考えてください。
そして、「高得点を取らないといけない」ではなく、「ここの合格最低点は、〇点くらいだから、目標はそこ」と考えてください。
そうすると「半分取れればいいんだ」、「苦手なこの科目は多少落としても、得意のこの科目でカバー出来る」と考えられます。
ここで、過去問対策が生きて来ます。
「過去問をやったけど、総合点で合格最低点は取れる」という自信があれば、本番でも力を出せるでしょう。
入試本番で「過去問のように、上手く解けない」と感じた時は、自分だけが難しいと感じているのではなく、他の受験生も「難しくなった」と感じていることを忘れないようにしてください。