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河合塾と駿台予備学校の偏差値の違いとは? ― 医学部・歯学部を目指す受験生のための徹底比較

【目次】

  1. はじめに
  2. 河合塾と駿台の偏差値とは
  3. 河合塾の偏差値の特徴
  4. 駿台予備学校の偏差値の特徴
  5. 河合塾と駿台の偏差値の違いを一覧比較
  6. 活用のポイント:どちらを参考にすべき?
  7. おわりに

はじめに

医学部や歯学部を目指すにあたり、「偏差値」をどこまで信じればよいのか?という疑問は多くの受験生や保護者が抱える悩みです。

「医学部の偏差値」、「歯学部の偏差値」は、いくつかの予備校などが発表していますが、最も多くの受験生が参考にするのは河合塾と駿台予備学校の「偏差値」でしょう。

この2校の「医学部の偏差値」、「歯学部の偏差値」は信頼性も高いと思います。

ただし、「河合塾」と「駿台予備学校」は、それぞれ模試や偏差値の算出方法に違いがあり、結果にも差が出ますのでそこを解説致します。

医学部受験や歯学部受験を控える受験生や保護者の方の関心が非常に高いのが「医学部の偏差値ランキング」、「歯学部の偏差値ランキング」です。

一方で、YouTubeを見ると視聴回数稼ぎに、都合よく作られたかなりいい加減な動画も見受けられます。

何万回もの視聴実績を見ると、「医学部の偏差値」、「歯学部の偏差値」への関心の高さが分かると同時に、受験生や保護者の方が間違った認識を持つのではないかと心配もしてしまいます。

今回は、河合塾と駿台予備学校の「医学部の偏差値」、「歯学部の偏差値」の定義・特徴・活用法をお伝え致します。

 

河合塾と駿台の偏差値とは

河合塾(全統模試系)

  • 偏差値は合格可能性50%のラインを示します。
  • 河合塾主催の全統模試受験者の偏差値区分ごとの合否調査から、合否半々の偏差値を算出
  • 模試の受験者層は全国の平均的な受験生

駿台予備学校(全国模試系)

  • 偏差値は合格可能性60%を基準にしています。
  • 駿台全国模試、駿台・ベネッセ共催模試の合否調査から合格可能性60%の偏差値を算出
  • 模試の受験者層は難関志望者・医学部志望者が多くなる傾向にあります

同じ大学でも河合塾と駿台予備学校で「偏差値」に差があるのは、こうした前提条件が異なるためです。

河合塾の偏差値の特徴

  1. 合格可能性50%のボーダー
    • 全統模試受験者の合否調査から算出
  2. 2.5刻みで表示
    • 例:60.0、62.5、65.0など。
    • 精度よりも実用性を重視した設計です。
    • 河合塾は「偏差値は1刻みにするほどの正確性は無い」、と考えていると思われます。
  3. 模試の難易度は標準レベル
    • 高校の授業レベルに近く、学校推薦型選抜の対策にも利用されやすい基礎から難問までバランスの取れた出題
  4. 母集団が広く信頼性が高い
    • 公立高校生や地方の受験生も多く参加しており、全国的な目安として機能します。
  5. 進学指導に最も用いられる
    • 学校の先生が使う偏差値は、ほぼ例外なく河合塾基準。

駿台予備校の偏差値の特徴

  1. 合格可能性60%ライン
    • その大学受験者の中でも「上位40%以内」でないと合格が難しいという、より現実的なボーダー。
  2. 1.刻みで細かく表示
    • 例:66、67、68など。
    • 精密な分析が可能なため、医学部志望には特に好まれます。
  3. 模試の難易度はやや高め
    • 記述問題を重視し、思考力や記述力が問われる設計。
  4. 母集団はハイレベル
    • 医学部・東大・京大などの難関大志望者が多く、偏差値は自然と厳し目に出やすい。

河合塾と駿台の偏差値の違いを一覧比較

項目 河合塾(全統模試) 駿台(全国模試)
合格可能性の基準 50% 60%
偏差値の刻み 2.5刻み 1刻み
模試の難易度 標準レベル やや高め
母集団の傾向 全国のバランスの取れた受験者層 医学部・難関大志望が多い
偏差値の出方 やや高い やや厳しめ
学校進路指導での採用 ◎(多くの学校で使用) ◯(難関大学志望に特化して有効)
医学部志望者との相性 ◎(基礎〜標準の受験生向け) ◎(上位〜難関層に最適)

 

2025年度入試に向けた最終の偏差値比較

 

私立医学部のボーダーライン偏差値

 

  河合塾 駿台
東邦大学 67.5 58
国際医療福祉大学 65.0 61

 

東邦大学医学部と国際医療福祉大学医学部の難易度について、河合塾は「東邦大学医学部の方が難しい」としていますが、駿台予備学校は「国際医療福祉大学医学部の方が難しい」としていて、全く逆になっています。

 

私立歯学部のボーダーライン偏差値

 

  河合塾 駿台
日本大学 45.0 45
愛知学院大学 37.5 46

 

日本大学は、松戸歯学部ではなく歯学部です。

日本大学歯学部と愛知学院大学歯学部の難易度ですが、河合塾は「日本大学歯学部の方が難しい。それもかなりの差がある」としていますが、駿台予備学校は「愛知学院大学歯学部の方が、わずかだが難しい」としています。

 

このように、「医学部の偏差値」も「歯学部の偏差値」も、河合塾と駿台予備学校では違いがあります。

どちらかだけを見るのではなく、両方を見るようにしてください。

なお、「医学部の偏差値」も「歯学部の偏差値」も年度途中で変化します。

これは、全統模試、駿台全国模試の大学ごとの志望動向が加味されていくからです。

「いつの偏差値か」ということも気をつけてください。

動画などでここが曖昧なものは、あまり信用できないと思います。

活用のポイント:どちらを参考にすべき?

  • 偏差値に差がある理由を理解したうえで、併用して判断することが最も確実。

おわりに

偏差値は、あくまで目安の一つであり、絶対的な合格保証ではありません。
しかし、「どの模試を基準にしているか」を理解することで、自分の実力や受験校との距離をより正確に把握することができます。

河合塾と駿台、それぞれの偏差値の違いを理解し、自分に合った偏差値の見方・活用法を身につけることで、受験戦略は確実にレベルアップします。