１，河合塾が医学部偏差値ランキングを修正

河合塾が２０２６年度入試私立大学の「医学部偏差値ランキング」を６月１８日に大幅変更をしました。

河合塾は５月に、来年度入試（２０２６年度入試）の偏差値ランキングを発表し、その中に「医学部偏差値ランキング」もありました。

これについては駿台予備学校の「医学部偏差値ランキング」と合わせて、このブログでも紹介しました。

その際に「河合塾の医学部偏差値ランキングには驚かされた」として「金沢医科大学の偏差値」を取り上げました。

今年５月の河合塾の「医学部偏差値ランキング」では、金沢医科大学の偏差値は昭和医科大学医学部、東邦大学医学部、関西医科大学、大阪医科薬科大学医学部と同じボーダーライン偏差値67.5としていました。

「金沢医科の難易度は昭和、東邦、関西医科、大阪医科と同じ？」と、疑問を感じた受験生も多かったのではないでしょうか？

２，駿台予備学校の医学部偏差値ランキング

駿台予備学校の「医学部偏差値ランキング」では「金沢医科大学は私立医学部の中で２番目に易しい大学」として、偏差値も下から２番目の「偏差値５２」とされていました。

金沢医科大学の難易度は、河合塾と駿台予備学校で大きく異なっていました。

３，金沢医科大学の偏差値を変更

６月１８日に改定された河合塾の「医学部偏差値ランキング」で、金沢医科大学の偏差値は５月の67.5から、62.5に変更されました。

岩手医科大学医学部、北里大学医学部、埼玉医科大学、獨協医科大学などと同じ、私立医学部では下から２番目の偏差値とされました。

多くの医学部受験生の皆さんは「そうだよな」と思われたのではないでしょうか？

４，なぜ偏差値の修正、変更が行われるのか？

では、どうしてこういった偏差値の修正があるのでしょうか？

河合塾の「医学部の偏差値」は、河合塾主催の全統模試受験者の合否調査で、合格率５０％の偏差値を求めて、その偏差値をボーダーライン偏差値として発表しています。

実は、合格率５０％の偏差値が簡単に出て来ないことがよくあります。

A大学医学部に偏差値６０で合格する受験生もいますし偏差値６５で不合格となる受験生もいます。

明確に「合格率５０％は、この偏差値」と出る場合はいいのですが、「合格者と不合格者が錯綜して、どこを合格率５０％とすればいいのか困惑する」こともあります。

河合塾の偏差値に関する資料を見ても、「担当者は苦労するだろうな」と思うことが少なくありません。

恐らく、河合塾の合否調査では金沢医科大学が、そうだったのだと思います。

以前、河合塾の医学部専門館の館長と話した時に、医学部偏差値ランキングについて「本部の人間が決めるので、医学部の専門家からすると首をひねるようなこともある」と話していました。

医学部受験に詳しい人が偏差値を決めているわけでは無くある意味、機械的に「ここだろう」と決めているからこういうことが起こる、とのことでした。

今回も５月の発表を見た医学部に詳しい河合塾内部の人から、何らかの指摘があったのかもしれません。

５，偏差値の変更があった大学

今回の医学部偏差値ランキングの改定では金沢医科大学の他にもボーダーライン偏差値の変更があった大学がありますので、お伝え致します。

５月の医学部偏差値ランキングでは偏差値67.5とされていた関西医科大学がワンランクアップの偏差値70.0とされました。

これは東京慈恵会医科大学や日本医科大学、順天堂大学医学部と同じ偏差値で、「関西医科大学は大阪医科薬科大学医学部より難しい」とされました。

偏差値70.0とされていた東京医科大学は偏差値67.5と偏差値をワンランク下げました。

偏差値65.0とされていた東海大学医学部は、偏差値62.5と変更されました。

福岡大学医学部の偏差値は65.0から62.5に変更され、久留米大学医学部と同じ難易度とされました。

偏差値62.5とされていた川崎医科大学の偏差値は60.0に変更されて、河合塾は川崎医科大学を東京女子医科大学と並んで「医学部で一番易しい大学」としました。

河合塾としては少しでも受験生の役に立つように、全統模試で受験生が合格可能性判定を求める大学の動向も加味して今後も偏差値の修正を行うと思います。

６，河合塾の医学部偏差値ランキング　６月１８日改定