医学部入試

【最新版】私立医学部と早稲田・慶應の偏差値を比較!ソウケイ最上位でも届かない医学部とは?

河合塾の最新偏差値をもとに、私立医学部と早稲田・慶應の難易度を徹底比較。
「早慶理工合格でも医学部には届かない」と言われる理由をデータで解説します。
医学部がどれほど難関なのか、数字で理解できます。

目次

  1. はじめに:早稲田・慶應より難しい?医学部受験の現実
  2. 河合塾の最新データで比較!医学部とソウケイ偏差値一覧
  3. 偏差値70以上の医学部:ソウケイ最上位でも届かない壁
  4. 偏差値65クラスの医学部:理工トップ層と同レベル
  5. 偏差値60台前半の医学部:中堅でもソウケイ理工並み
  6. なぜ医学部はここまで難しいのか?3つの理由
  7. まとめ:医学部は「最難関中の最難関」
  8. さいごに:数字の裏にある“医師への覚悟”

はじめに:早稲田・慶應より難しい?医学部受験の現実

私立大学受験の最難関といえば「早稲田・慶應(ソウケイ)」を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし実は、早稲田・慶應の最難関学部・学科に合格できる受験生でも、医学部には届かないことが珍しくありません。

その理由を、河合塾の偏差値データで客観的に見てみましょう。

 河合塾の最新データで比較!医学部とソウケイ偏差値一覧

偏差値 医学部 早稲田・慶應
72.5 慶應義塾大学(医)
70.0 東京慈恵会、順天堂、日本医科、関西医科
67.5 国際医療福祉、自治医科、昭和医科、東京医科、東邦、大阪医科薬科、藤田医科、産業医科 早稲田 基幹理工・学系3、先進理工・生命医科学
65.0 東北医科薬科、杏林、帝京、東海、日本、愛知医科、近畿 慶應 理工(学問A〜E)、早稲田 基幹理工・創造理工・先進理工
62.5 岩手医科、獨協医科、埼玉医科、北里、聖マリアンナ、金沢医科、兵庫医科、福岡、久留米 早稲田 創造理工・総合機械工学
60.0 東京女子医科、川崎医科

河合塾の偏差値ランキング2025年10月版

この表から分かる通り、多くの私立医学部が早慶理工学部と同等、もしくはそれ以上の難易度に位置しています。

ちなみに、ここで言う「偏差値」は、河合塾が考える合格可能性50%(合格と不合格半々)の偏差値です。

 偏差値70以上の医学部:ソウケイ最上位でも届かない壁

河合塾の「医学部の偏差値ランキング」で、偏差値70を超えるのは以下の大学です。

  • 慶応義塾大学
  • 東京慈恵会医科大学
  • 順天堂大学
  • 日本医科大学
  • 関西医科大学

このレベルは早稲田・慶應のどの学部・学科よりも上です。
早稲田・慶応で最難関の早稲田大学先進理工学部・生命医科学科や同じ早稲田大学の基幹理工学部・学系3(67.5)よりも偏差値上位に位置し、「早稲田の最難関に合格した受験生も、慈恵・関西医科には不合格」というケースも多いのです。

偏差値67.5の医学部と早慶の最難関

早稲田大学と慶應義塾大学で医学部を除き最難関が早稲田大学の2学科です。
早稲田・慶応の偏差値でボリュームゾーンはワンランク下の偏差値になります。

一方、私立医学部8校が偏差値67.5とされており、多くの医学部がここに位置されています。

偏差値70を超える5校と合わせて13校が「偏差値67.5以上」とされており、医学部を除く慶応義塾大学のどの学部・学科より高い偏差値となっています。

「慶応義塾大学理工学部に合格出来るレベルでは足りない医学部が13校もある」ということです。

偏差値65クラスの医学部:理工トップ層と同レベル

慶応義塾大学理工学部は全ての学科がこの偏差値に位置しています。

早稲田大学も基幹理工、先進理工、創造理工のほとんどの学科がこの偏差値となっていて、早稲田・慶応の多くが「偏差値65」とされています。

この「偏差値65」は、医学部を除く私立大学理系学部のトップ層の偏差値と考えていいでしょう。

私立医学部も7校が偏差値65とされていますが、日本大学医学部を除く6校はいわゆる「新設医学部」で、旧設医学部に合格するには「早稲田・慶応合格レベルでは足りない」ということになります。

 

これを見るだけでも、医学部がどれだけ難しいかが分かります。

また、単純な偏差値以上に医学部はハードです。
理科が2科目必要なうえに、小論文と面接も待ち受けています。

偏差値60台前半の医学部

私立医学部の中でも「取り組みやすい」と考えられる医学部であっても、偏差値60を超えて来ます。

私立大学理工系学部では早稲田・慶応の「すべり止め」の大学、(例えばMARCH、関関同立)がありますが、私立医学部では「すべり止め」と言えるような大学は存在しないことが分かると思います。

私立医学部は31校ありますが、どの大学も大変な難関であることは変わりありません。

医学部合格のためには、少なくとも偏差値60を超える学力を身に付けることが欠かせません。

(MARCHとは明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学を、関関同立とは関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学を指します)

なぜ医学部はここまで難しいのか?3つの理由

定員が少ない

医学部の入学者は、どの大学も1学年100名前後。
他学部のように数百人単位で合格を出さないため、競争は熾烈です。
さらに、他学部では入学定員を超える入学者が出ることは珍しくありませんが、医学部医学科では入学定員管理は厳密に行われています。

科目数と要求レベルの高さ

英語・数学・理科2科目の総合力が必要。
1教科でも苦手があると致命的になるため、全科目の完成度が求められます。
さらに、「試験時間が短い」ため、解けるだけでは不十分で単に解けるではなく「早く正確に解く」ことが必要となります。

医学部入試は学力試験の他に小論文と面接も課されます。
特に面接は、「面接の評価が低い場合は、学力試験の成績に関わらず不合格とする」と入試要項にはっきりと記載している大学が少なくありません。

私立医学部の面接は個人面接のほかにグループ面接、グループ討論、MMIと多岐に渡ります。

これらへの適切な準備は欠かせません。

英語、数学、理科2科目の準備に加え、小論文と面接の準備も必要な医学部受験は必然的にハードルが高くなります。

受験者層がハイレベル

医師資格を得る「医師国家試験」を受けるためには、原則的に「医学部を卒業する」ことが必要です。
医師になるためには、どうしても医学部に入学して卒業する必要があります。

医学部志望者は「医師志望」であり、医師になるためなら浪人してでも挑戦を続ける層が多いことから、全国のトップ層同士の真剣勝負が繰り広げられています。

浪人生の中には3浪以上の「多浪生」も少なくなく、現役生がこういった浪人生に勝つのは簡単ではありません。

また浪人の存在に加えて、医学部を目指す「再受験生」の存在も忘れるわけには行きません。

医学部以外の学部に進学したものの、医学部に再挑戦する再受験生は、「なにがなんでも」という気持ちの強さが、もう一段高いものがあります。

 まとめ:医学部は「最難関中の最難関」

データを整理すると以下のようになります。

比較 医学部 早稲田・慶應
トップ層 慶應医(72.5)
上位層 慈恵・順天堂・日医(70)
中堅層 旧設医学部(67.5) 最難関2学科(67.5)

結論として、
「ソウケイ理工に受かる=医学部挑戦のスタートライン」という構図です。
つまり、医学部はソウケイよりも偏差値上位に位置する超難関なのです。

 さいごに:数字の裏にある“医師への覚悟”

私立医学部は学費も高く、6年間の学業も厳しいのが現実です。
それでも多くの受験生が目指すのは、
「人の命を救う」という明確な目的意識があるからです。

私立医学部偏差値ランキングはあくまで一つの指標でとらわれ過ぎる必要はありませんが、医学部に合格するためには、人生をかけた努力と覚悟が必要です。

「ソウケイに受かっても医学部には届かない」──
その事実こそが、医学部合格という道の厳しさと医学部を目指す受験生の目標に向かう諦めない気持と覚悟の尊さを物語っています。