医学部入試

MMIって?どう対策したらいいの?医学部がMMIを導入する“本当の理由”と、地方受験生でも伸ばせる準備法

近年、医学部入試の二次試験(面接)でMMI(Multiple Mini Interview:課題型面接)を導入する大学が目立つようになりました。

なかには、従来の「個人面接」を置き換えるレベルでMMIを重視する大学もあります。

たとえば、東京慈恵会医科大学はMMI方式の面接を合計6回行います
また、東邦大学医学部ではMMIを4回行います。

その場で与えられた課題に対応する力が強く問われます。
さらに2026年度では、川崎医科大学の一般選抜でMMIが出題されるなど、医学部の面接においてMMIは更に広がりを見せています。

MMIについては、一般に「現代医療で必要な能力を多面的に評価するため」と説明されがちです。

しかし、その説明だけで納得してしまうと、大学側の「本音」や、受験生が本当にすべき対策の方向性を見誤ります。

今回のブログでは、MMIの仕組み・導入背景・大学側の狙いを整理しつつ、「対策できない」と言われがちなMMIに、どう向き合えば合格に近づけるのかを、丁寧に掘り下げます。

目次

  1. MMIとは何か:普通の個人面接とどこが違う?
  2. 医学部の個人面接は「準備ができる試験」
  3. 都市部と地方で起きる“面接対策格差”
  4. 大学側の疑問:「同じ尺度で評価していいのか?」
  5. よくあるMMI解説の“表面的さ”──「医療で必要な能力」だけでは説明しきれない
  6. MMIはなぜ“暗記対策”を無効化できるのか
  7. MMIで見られやすい力:思考力・対応力/人柄・価値観
  8. 導入校の例:慈恵は6回、東邦は4回、川崎医科でも新傾向
  9. 「難しすぎる」MMIにどう向き合うか:満点主義を捨てる
  10. MMI対策の全体像:知識より“型”と“練習設計”
  11. すぐ使える思考フレーム(結論→理由→反対意見→折衷案)
  12. 出題パターン別:倫理ジレンマ/対人トラブル/医療制度/チーム課題
  13. 具体トレーニング:1人でもできる練習・家族とできる練習・学校でできる練習
  14. 地方受験生こそ伸びる:環境差を埋める現実的戦略
  15. よくある失敗例(「正解探し」「断定」「綺麗ごと」)
  16. まとめ:MMIは“対策不能”ではなく、“暗記不能”なだけ
  1. MMIとは何か:普通の個人面接とどこが違う?

MMIは、名前の通り短い面接(ミニ面接)を複数回行う面接形式です。
基本的に受験生はブース(部屋)を移動しながら、毎回違う課題・違う面接官に対応します。

従来の個人面接との最大の違いは、ここです。

  • 個人面接:同じ面接官(または同じ面接室)で、比較的長い時間を使い、志望動機や経歴などを深掘りされる
  • MMI:短時間で課題が切り替わり、初見の状況にどう反応するかを多面的に見られる

MMIは、受験生から見ると「落ち着く暇がない」「空気をつかむ前に終わる」「話が温まる前に次へ行く」面接です。
大学側から見ると「1回の面接に依存せず、複数の面接官が複数場面での反応を評価し、評価を平均化できる」面接です。

  1. 医学部の個人面接は「準備ができる試験」

医学部の個人面接は、聞かれる内容がある程度パターン化しています。

  • 医学部志望理由
  • 大学志望理由
  • 目指す医師像
  • 高校生活で頑張ったこと
  • 医療ニュースへの関心
  • 地域医療や診療科の志向
  • 困難経験と乗り越え方

もちろん例外はありますが、「毎年似た質問が出る」「準備の勝ち筋が読みやすい」のが個人面接の特徴です。
だからこそ、準備ができれば得点(評価)を上げやすい

この「準備可能性」が、良い面も悪い面も生みました。

  1. 都市部と地方で起きる“面接対策格差”

医学部に詳しい塾・予備校が集まる都市部では、

  • 医学部面接の頻出質問集
  • 医師像の作り込み
  • 志望理由の深堀り
  • 受け答えの言い回し指導
  • 模擬面接の回数確保

こうした支援が手厚く、受験生は「面接対策の完成品」を作りやすい環境にいます。
一方で、地方では

  • 医学部専門塾が近くにない
  • 高校の進路指導が医学部面接に詳しくない
  • 模擬面接の相手が確保できない
  • そもそも医学部入試情報が少ない

という状況になりがちです。

結果として、「対策できた人」と「対策できなかった人」の差が、面接評価にそのまま表れる構造になります。

  1. 大学側の疑問:「同じ尺度で評価していいのか?」

大学側からすれば、こういう疑問が生じます。

都市部の受験生は、医学部面接の「型」を叩き込まれてくる。
地方の受験生は、そもそも練習機会が乏しい。
それを同じ面接で同じように評価して、本当に公平なのか?
それで正しい入学者選抜が行えるのか?

この疑問が、MMI導入を後押ししました。

MMIは、暗記した志望理由を披露するよりも、その場で考える局面を増やすことで、環境差が作りにくい形式になりやすいのです。
(※もちろん「完全に格差が消える」ほど甘くはありませんが、個人面接の「完成品勝負」を弱める効果はあります。)

  1. よくあるMMI解説の“表面的さ”──「医療で必要な能力」だけでは説明しきれない

MMIが増えてきた理由として、

医師には高度な専門知識だけでなく、患者や同僚との円滑なコミュニケーション、緊急時の冷静な判断、倫理的な問題への対応力が求められる。

現代の医療現場で必要とされる能力を総合的に評価し、医師としての適性を見極めるためにMMIは行われる。

──このような説明を見かけることがあると思います。

しかし、これは一見もっともらしいが、MMI導入の背景を言い尽くしてはいない説明でもあります。

なぜなら、ここまでの説明だと、

  • じゃあ従来の個人面接ではそれが評価できなかったの?
  • なぜわざわざ回数を増やしてまで形式を変えるの?
  • なぜ今このタイミングで広がったの?

といった疑問に答えきれません。

医療現場に必要な力を見たい、という「建前」も無いとは言いません。
しかし、導入を加速させた「本音」の部分には、先ほど述べたような面接の対策格差や、作り込まれた受け答えへの疑念が強く関係しています。

  1. MMIはなぜ“暗記対策”を無効化できるのか

MMIでは事前に質問内容を知ることができないため、用意した答えを暗記してくるだけの形式では通用しにくい面接になります。

初見の状況を短時間で理解し、自分の考えを整理して伝える力、つまり即興的な思考力や問題解決への向き合い方が問われる、というわけです。

さらに、定型的な質問に対する用意済みの回答ではなく、初めて提示される課題に対して咄嗟にどう反応するかを見ることが出来るため、受験生の価値観や瞬時の判断力が表れやすい面接です。

倫理的なジレンマにどう向き合うか、困難な状況でどんな判断軸を持つか、といった点から、その人の倫理観や思考の筋道も浮かび上がります。

いわば「本音」を引き出しやすい面接の形式です。

――ここまでは、MMIの「特徴」としては確かに正しい。

ただし重要なのは、大学は「本音を暴く」ためにMMIをやっているわけではないということです。
大学が見たいのは「隠された本音」ではなく、もっと現実的に、

  • その場で状況を整理できるか
  • 論理的に考えることが出来るか
  • 相手の立場に配慮できるか
  • 価値観が極端に偏っていないか
  • 結論が違っても筋道が通っているか
  • コミュニケーションの「姿勢」があるか

といった、医学生として一緒に学べるかどうかの安全確認・適性確認の側面が強いのです。

  1. MMIで見られやすい力:思考力・対応力/人柄・価値観

MMIの評価は、結局ここに集約されます。

思考力・対応力(即興性)

  • 問題を読んで、何が論点かをつかむ
  • 立場の違う人を想像する
  • 判断の根拠を言語化する
  • 代替案・折衷案を出す
  • 「迷い」を正直に示しつつ、判断を放棄しない

人柄・価値観(安全性と協働性)

  • 相手を攻撃しない
  • 独善的に断定しない
  • 弱者・少数者・患者の視点を捨てない
  • ルールや倫理を軽視しない
  • チームで動く前提を持てている

MMIで高評価を取る人は、「答えが上手い人」ではなく、考え方が安定している人です。
そしてこの「安定」は、テクニックよりも普段の思考習慣で作られます。

  1. 導入校の例:慈恵は6回、東邦は4回、川崎医科でも新傾向

実際のMMIのやり方は大学によりさまざまですが、特徴をつかむうえで、具体例は役に立ちます。

  • 東京慈恵会医科大学:1回7分のMMI方式の面接が合計6回
  • 東邦大学医学部:MMIが3分×4回
  • 昭和医科大学:5分のMMIを4回
  • 藤田医科大学:5分のMMIを2回

ここで大事なのは、回数や分数そのものよりも、「短時間×複数回」という構造が事前準備を弱めることです。

短い時間で次々と課題が切り替わる形式は、受験生側が「完璧に答える」ことを前提に作られていません。

むしろ、完璧に答えられない状況で、どう振る舞うかが評価対象になりやすいのです。

  1. 「難しすぎる」MMIにどう向き合うか

MMIの内容について、「非常に難しく、瞬時にまともに答えられる受験生はいないのでは」と感じる、という声はよくあります。

例えば下記は、東邦大学医学部一般選抜で実際に出題されたMMIです。
書面に書かれた課題に対して、時間を掛けずに答えて行きます。

例①

「災害地のボランティアに参加することにした。」
友達には勧めるか、勧めないか。
行きたくないと考える人は、なぜそう思うのか?
現地で最も配慮するべきことは?

例②

「集中豪雨の予想は困難と言われている。」
予想を困難にしている要因は何か?
その要因が本当に予想を難しくしているか確かめる実験方法は?
実験に際し、どのような準備が必要か?

例③

「Aさんが入院している病院の面会時間は20時まで。」

遠方に住むAさんの子供たちは交通機関の遅延で21時に病院に着き、面会したいと言っている。

1,病院が面会時間を制限するのはなぜか?
2,病院は面会させるべきか、させないべきか?
3,あなたと反対意見の人は、なぜそう考えるのか?

ここで、多くの受験生が最初に踏む間違いがあります。

正解”を探し始めてしまうことです。

MMIは、大学が用意した「模範解答」を当てるクイズではありません。
もちろん「危険な回答」「不適切な回答」はあります。

けれど、多くの課題は

  • 結論が割れる
  • 状況によって最適解が変わる
  • 価値観の衝突が起きる
  • どれを選んでもデメリットが残る

という性質を持っています。

だからこそ、目指すべきは安定した思考です。

  1. MMI対策の全体像:知識より“型”と“練習設計”

「対策できない」と言われるMMIですが、正確に言うと、

  • 暗記での対策はしにくい
  • でも 練習での対策はできる

この違いは大きいです。

MMIで伸ばせるのは、主に以下です。

  1. 初見課題の読み取り(論点抽出)
  2. 発言の構造化(話の型)
  3. 判断軸の言語化(理由・価値)
  4. 反対意見の想定(独善回避)
  5. コミュニケーション姿勢(共感・敬意)

この5つを鍛えると、どんなテーマでも対応力が上がります。

  1. すぐ使える思考フレーム(結論→理由→反対意見→折衷案)

MMIで最強に使える“型”を1つだけ挙げるなら、これです。

  1. 結論(私ならこうする)
  2. 理由(なぜなら〜)
  3. 反対意見(ただし〜という懸念もある)
  4. 折衷案(だから、こう工夫する)
  5. 再結論(以上より〜)

この型は、倫理系でも対人系でも制度系でも使えます。
「断定しすぎず、迷いを言語化し、現実的な手当てを出せる」ので、評価されやすい構造です。

とは言え、受験生が毎回、このように答えることは簡単ではありません。

これは、あくまで理想形と考えて、「これが出来なければダメだ」と考えないで下さい。

 

現実的には、1,結論 2,理由 を言えることが出来れば問題ありません。

  1. 出題パターン別:倫理ジレンマ/対人トラブル/医療制度/チーム課題

MMIは大学によって課題が異なりますが、よくあるパターンは似ています。

倫理ジレンマ型

例:守秘義務、同意、出生前診断、優先順位、終末期 など
→ 正解よりも「論点の把握」と「弱者視点」「説明責任」が鍵。

対人トラブル型

例:友人の不正を見た、チームで衝突、指導者に謝罪 など
→ 「関係維持」と「ルール遵守」のバランスが鍵。

医療制度・社会問題型

例:国民皆保険、医療費負担、地域医療、少子高齢化 など
→ 賛否よりも「立場の違いの想像」「現実的な制約理解」が鍵。

チーム課題・状況対応型

例:限られた情報で判断、緊急時の対応、役割分担 など
→ 「落ち着き」「優先順位」「協働姿勢」が鍵。

  1. 具体トレーニング:1人でもできる練習・家族とできる練習

1人でもできる

  • 文芸春秋社から出ている「2026の論点100」などから論点を1つ選ぶ(医療でも社会でもOK)
  • 短時間で自分の考えをまとめる
  • そう考える理由を論理的に説明してみる

家族とできる

  • 倫理や社会問題のテーマで小さなディスカッション
  • 親に「面接官役」をやってもらう
  • あなたの考えに「こういう面は?」と突っ込んでもらう
  • 発言を「短く・構造的に」する練習
  1. 地方受験生こそ伸びる:環境差を埋める現実的戦略

地方受験生が不利になるのは、「情報がない」こと以上に、練習回数が不足しがちなことです。
MMIは暗記よりも「反復」で伸びるので、ここを埋めれば勝負になります。

  • 医学部専門塾がなくても、論点自主練習はできる
  • 面接官がいなくても、録音で自己フィードバックできる
  • 親にも協力してもらうことで論点整理の練習はできる
  • メルオンなどのオンライン指導を利用する事でプロの指導を受けることができる

むしろ、都市部の「完成品っぽい答え」よりも、地方受験生の生活に根ざした具体性が武器になることがあります。
「なぜそう考えるか」を自分の経験に結びつけて語れる人は、短時間でも説得力が出やすいからです。

  1. よくある失敗例(「正解探し」「断定」「綺麗ごと」)

MMIで落ちやすいのは、実は「頭の良さ」、「回転の速さ」ではなく、思考の癖です。

  • 正解探し:答えが出ないと黙る/話が止まる
  • 断定:「〜すべき」「〜に決まってる」で押し切る
  • 綺麗ごと:共感だけで終わる(現実の制約に触れない)
  • 攻撃的:誰かを責める方向で話を作る
  • 論点ズレ:課題の中心から外れて自分語りに行く

こういう癖は、練習で修正できます。

だからMMI対策は可能です。

  1. まとめ:MMIは“対策不能”ではなく、“暗記不能”なだけ

MMIが導入された背景には、「医療で必要な能力を多面的に評価したい」という建前だけでなく、

  • 都市部と地方の対策環境差
  • 作り込まれた回答の増加
  • 面接1回で人を判断することの不安
  • より公平で安定した評価への欲求

といった大学側の現実的な問題意識がある、と考えると理解しやすくなります。

そして受験生側の結論はこうです。

  • 暗記での対策は出来ない
  • 慣れと反復で伸ばすと強い

MMIは、答えの上手さよりも、考え方の安定性・他者への配慮・状況理解の姿勢が見られます。
だからこそ、地方でも、環境に恵まれていなくても、正しい練習設計ができれば十分戦えます。

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