医学部新設の動きがいろいろある中、
現実に医学部が1校ないし2校新設された場合、
医学部入試にどのような影響があるのでしょうか?
先日お伝えしましたように
医学部が新設されるとしたら私立大学の医学部が
まず考えられます。
そうなると国公立医学部専願の受験生の皆さんには、
ほとんど影響はなさそうです。
国公立と私立医学部を併願する受験生、
私立医学部受験生には影響があるかもしれません。
あるとすれば、どんな影響?
定員が増えるから、入試が少し易しくなる?
私は、そうは考えません。
むしろ逆に難化することも考えられると思っています。
国公立大学全体の今春入試の志願者数は
前年に比べ9千人以上減っています。
一方で、国公立大学医学部の志願者数は
前年に比べ2千人近く増えています。
なぜ、この様な結果になったのでしょう。
センター試験の平均点が例年より高かったのも
要因の一つでしょう。
また、見逃せないのが医学部定員増に伴い
「チャンスが増えた」と考える受験生が増えたことです。
「医学部は確かに難しい。でも門戸が広がったのだからチャンスも広がった」
と考え、医学部にチャレンジする受験生が増えたことが
国公立医学部の志願者が毎年3万人前後で推移している
大きな理由の一つだと思います。
もし、医学部が新設されることになれば
大きなニュースになるでしょう。
そうすれば、それまで医学部に関心を持っていなかった受験生の中に
医学部に関心を持つ受験生も増えるでしょう。
また、学費も奨学金や地域枠などが導入され
それなりに押えた学費となることが予想されます。
新設医学部の定員は多くて100名程度と考えられますが、
それをかなり上回る受験者増があると思います。
それに伴い、国公立大学の医学部志願者も増えるかもしれません。
仮に、医学部受験生が増えなくても、
医学部の入試難易度が下がることはないと思います。
志願倍率が10倍~20倍の私立医学部では、
総定員が100名程度増えても
入試の難易度に影響を与えるほどではないと思います。
現に、2008年度から医学部定員は毎年増員されていますが、
医学部入試が易化したということはありません。
残念なことに例え新しい医学部ができても
医学部入試の厳しさは変らないと思います。