前回お伝えしたように1969年の
医学部は国公立私立合わせて
47大学で医学部全体の定員は4,040人でした。
それから10年後の1979年には
琉球大学医学部の開設が決まり
(学生の受け入れは1980年4月から)
医学部は国立50大学、私立29大学の
合わせて79大学になりました。
(この他に、大学ではありませんが
防衛医科大学校があります)
10年で医学部は32大学も増えました。
この結果、医学部の入学定員は
8,260人となり10年で
4,220人も医学部定員は増えました。
これだけ急激に医学部が増えても、
同じ様に医学部志願者も急激に
増えるわけではありませんので、
新しく出来た医学部の中には
入試難易度が高いとは言えない
大学もありました。
1980年当時と現在の入試難易度を
比べると当時から人気難関校であった
医学部はそれ程大きく難易度が
上がったわけではありません。
例えば慶應義塾大学医学部の
1980年の河合塾による
ボーダーライン偏差値は70です。
そして来年、2016年度入試の
河合塾による慶應義塾大学医学部の
ボーダーライン偏差値は72.5です。
1980年に比べると偏差値で
2.5上昇しています。
一方で医学部の中で当時、
入試難易度が低かった大学は大きく
偏差値が上昇しています。
例えば帝京大学医学部と
川崎医科大学の1980年の河合塾による
ボーダーライン偏差値は両校とも47.5でした。
それが2016年度入試の河合塾による
ボーダーラインは帝京大学医学部、
川崎医科大学ともに65.0です。
帝京大学医学部も川崎医科大学も
1980年のボーダーラインと比べると
実に偏差値で17.5も上昇しています。
早稲田、慶応の中でも最難関学科と
肩を並べるところまで来ました。
東京慈恵会医科大学や
大阪医科大学といった、
いわゆる旧設医大で当時も人気を
集めていた医学部でも偏差値で表される
難易度は10.0上がっていますが、
帝京大学医学部や川崎医科大学は
偏差値で17.5の上昇です。
1980年の私立医学部最難関
慶應義塾大学医学部と医学部の中では
最も難易度が低かった
帝京大学医学部、川崎医科大学との
ボーダーライン偏差値の差は22.5でした。
2016年の最難関、慶應義塾大学医学部と
最も難易度の低い聖マリアンナ医科大学の
ボーダーライン偏差値の差は10.0です。
偏差値で22.5あった差が
半分以下に縮まりました。
医学部全体として入試難易度は
上がっているのですが、
特に新設校でボーダーライン偏差値の
低かった医学部の難化が目立ちます。
1980年当時は「入りやすい医学部」が
あったのですが、
現在では「入りやすい医学部」は無くなっています。