医学部の受験校を選ぶ際に
受験校の数も大切だとお話ししましたが、
その話の続きを。
重複しますが、受験校を絞って
そこを集中的に狙った勉強をした方がいいと
考える受験生も少なくないようですが、
それは間違った考え方です。
もちろん受験校の対策は必要です。
ただ、国公立医学部であれば
一般入試で受験できるのは
最大でも2校ですが、
私立で2校しか受験しないというのは
せっかく何校も受験できるのに
あまりにリスクが大き過ぎます。
例えば、昭和大学医学部入試で
受験生を悩ませ続けてきた生物が、
年が明けて行われる入試では
ガラッと変わると聞いています。
恐らく、このことを知っている受験生は少なく
昭和大学医学部の試験当日、
生物の問題を見て「えーっ!!」と思うでしょう。
去年の入試では帝京大学医学部の入試で
理科の問題を難しくすることを
事前につかんでいましたがその通りになり、
ほとんどの受験生は面食らったのではないでしょうか。
どこかの大学に絞り込んで、
そこの対策を徹底的にやるということに
賛成しない理由のひとつが、
「入試は毎年必ず同じ傾向とは言えない」
という理由です。
そして、最も大きな理由が、
「3校以上受験することになれば
結局、全ての医学部入試の対策に通じる」
ということです。
医学部入試の問題形式は
大きく分けると記述式とマーク式に分かれます。
模試もそうですが、
「マークの方がやりやすい」という人と
「記述の方がやりやすい」という人の
両方のタイプがいます。
と言ってマークの大学ばかり選ぶのはどうでしょう。
マーク式の問題と言うだけで選ぶのは、
あまりに乱暴です。
記述式も同じことです。
また、同じ大学でも科目によって
記述とマークと両方ある大学もあります。
例えば、日大医学部では数学は記述で
化学などの理科はマークです。
次に出題分野について見てみましょう。
例えば医学部受験生に特に人気の高い
東京慈恵会医科大学と順天堂大学を見てみましょう。
順天堂大学の数学では
毎年必ず定理などを証明する問題が
出題されます。
慈恵医大もそうですが、
私立医学部では証明問題は出題されません。
積分ですが慈恵医大では毎年必ず出題されますが、
順天堂大学では過去5年で大問で
積分が出題されたのは1度だけです。
英語ですが慈恵医大で必出と言える短文完成や
誤文訂正(指摘)は順天堂大学ではまず、出題されません。
英作文も慈恵医大は日本語で書かれた文章を
英訳するものですが、
順天堂大学では決められた日本語を英訳するのではなく、
自分の考えを英語で書くものですから、
知っている表現を使って書くことになります。
出題分野については次回、
更にお話しします。